サイクリングは旅行のさまざまな場面で活用できる移動手段で、そのスタイルもまたさまざまである。最も手軽なサイクリングは「ポタリング」と呼ばれており、のんびりといくつかの場所を訪れる際に移動手段として自転車に乗ることを指す。単に移動手段として用いるだけでなく、風を受けながら周りの風景を楽しむことも自転車に乗ることの大きな楽しみといえる。ポタリングは通常、一日で完結する旅を指しており、走行距離は多くても50Kmぐらいが目安となる。また、旅先でレンタサイクルを利用するのも気軽にポタリングを楽しむ方法の一つ。
一方、サイクリングの中には、自転車が移動のおもな手段として用いた、もっと体力が必要でハードな旅行もあり、通常「ツーリング」と呼ばれている。旅行中に必要なすべてのものを自転車に載せて走るので、ツーリングの際には周到な準備と装備が必要である。ツーリングでは1日に200Kmくらい走る場合もある。自転車旅行を始める人は、まずは手軽なポタリングから始めて徐々に距離を延ばし、泊りがけのツーリングに挑戦するのが一般的である。
このページでは、自転車旅行を行う際のいろいろなコツについて紹介している。ただし、以下に挙げた項目については、サイクリングのスタイル、日本国内を走るのかそれとも海外なのかなどによって条件が異なることに留意する必要がある。
自転車は厳密に言うと、車に含まれると法律で決められている。故に、車関係の法律に沿って装備および行動しなければならない。
- 交通法規
- 交通ルールを十分に理解し、遵守することはサイクリングにあたっての大原則である。日本では車道の左側を通行、あるいは自転車用レーンのような専用の通行区分帯、また歩道では自転車通行可の表示があるところのみ自転車での走行が可能であるが、その際も歩行者が優先となる。海外、特に西ヨーロッパでは自転車の通行区分がはっきりと明示されていることが多い。なお、歩道を自転車で走ることは厳しく取り締まられている。
- 国内では片手運転が道路交通法で禁止となったので、携帯電話を持ちながらの運転はもとより、地図を見ながらや傘を持っての運転も違反となる。電話や地図は停止して使用し、雨天の場合の雨具は合羽やポンチョを使用すること。
- 安全な道を選ぶ
- 交通量の多い幹線道路を避ける。トンネルもできるだけ避ける。トンネルを使用せざるをえない場合は歩道を出来るだけ通行する。
- 防犯対策
- 旅行中に盗難でもされたら途方に暮れるのは必至であろう。自転車の前面・後面・横面を写真に撮影しておき、盗まれたとしても特定されやすいようにしておいた方が良い。
- 「防犯登録」を申請しておくのも良い。その番号も記録または携帯電話カメラに撮影して保存しておくことをお勧めしたい。なお、廃車するときは購入した店舗または警察署へ番号と共に連絡しておくこと。
できるだけ軽いほうが疲れが少なくて良い。
1週間以上の旅行には3日間着まわせる分の着衣を持っていく。
レンタサイクル[編集]
旅先に自転車を持っていかなくても自転車旅行を楽しむ方法がレンタサイクルである。京都や鎌倉のような交通渋滞の激しい観光地や島など交通機関が不便な場所で利用すると移動の自由度が大きくなる。おもな観光地や都市にはレンタサイクルが駅周辺などにあるが、ホテルなど宿泊施設でも自転車を貸し出していることも多い。一部のお店で高級車を貸し出す場合以外は、自転車は変速機なしなのでポタリングが通常のスタイルとなる。場合によっては2日以上連続で貸し出すお店もある。具体的なレンタサイクルショップの情報は日本のレンタサイクルのリストを参照。
一つの街を回るとなると歩くには距離が長すぎるが車ではあまりにも点と点の間が感じられず、自転車がちょうどいい場合も多い。
借りる時のチェック項目[編集]
- 自転車がきちんと整備されていること(ブレーキ、タイヤ、ハンドル、ロック)。
- 故障や事故の場合の対処方法を聞いておく。
- できるだけ地図を持つ(見知らぬ土地で迷った時の備え)。
- 電動アシスト自転車を貸し出している店もある。坂の多い街の場合は少し高くてもこれを使った方が楽なことも多い。
自転車の運搬[編集]
自宅から自転車で出発しない限り、自転車を旅の目的地まで別の方法で運搬する必要がある。そのために、自転車を分解したり折りたたんでコンパクトに袋に入れる方法が取られており、このようにして旅行することを輪行と呼ぶ。輪行により自転車旅行の可能性は大きくひろがる。小口径の折りたたみ自転車はコンパクトになるので便利だが、長距離のツーリングには向かない。一方、大口径のマウンテンバイクやロードランナーなどツーリング用の自転車は車輪を分解して袋に入れる必要がある。
- 鉄道
- 輪行の場合、JR各社およびおもな私鉄は無料(競輪選手は有料)で受け入れている。但し伊予鉄道など、別料金が必要な鉄道もある。
- 日本でも最近は、自転車をそのまま列車に持ち込むことを認める鉄道も少しづつですが増えてきた。これらはサイクルトレインと呼ばれている(ただし、多くの鉄道会社では、時間帯、曜日ごとの繁閑に合わせて自転車を持ち込める列車を制限している)。主なサイクルトレインは以下のとおり。
- • 上毛電気鉄道 — WEB [1]
- • 上信電鉄 — 高崎(上信)・吉井・上州福島・上州富岡・下仁田駅。 時間 平日9:00~14:00、土休日7:00~15:00の指定された列車上下各5本。 WEB [2]
- • 北陸鉄道 — 石川線。 時間 月~土 9:00~15:00。休日終日。 WEB [3]
- • 三岐鉄道 — 時間 西藤原駅~三里駅間:終日。三里駅~大矢知駅間:平日9:00~14:00、土休日は終日、春夏冬休み中は9:00~16:00。 WEB [4]
- • 養老鉄道 — 養老線。 時間 平日9:00~14:00、土休日始発~17:00、春夏冬休み中は9:00~17:00。 WEB [5]
- • 近江鉄道 — 本線(彦根・水口石橋を除く)、多賀線。 時間 平日9:00~16:00、土休日終日。 WEB [6]
- • 水間鉄道 — WEB [7]
- • 一畑電車 — 時間 平日9:00~16:00、土休日終日。 料金 ¥300。 WEB [8]
- • 松浦鉄道 — 伊万里-佐世保 時間 土休日、春・夏・冬休み、ゴールデンウィーク。 WEB [9]
- • 熊本電気鉄道 — 時間 9:00~15:00。
- なお、西ヨーロッパではほとんどの列車に自転車をそのまま持ち込むことができ、自転車のマークがついているドア付近には専用スペースがある。また、場所によっては自転車運搬専用の車両をつないでいる列車も運行している。
- 飛行機
- 輪行用の袋に入れ、手荷物として預ければ多くの会社が受け入れてくれる。ただし格安航空会社を利用する場合は追加料金が必要な会社もある。預け入れの際に、どの航空会社でも、破損の責任を問わない旨の誓約書に署名することを求められる。実際、自転車がどのような扱いを受けるのか分からないので、重要なパーツについてはエンド保護金具などで保護しておくとよい。
- 船
- フェリーの場合は追加料金でそのまま持ち込みが可能。旅客船や高速船の場合は輪行袋に入れることを求められる場合もあるようなので、事前に会社に問い合わせた方がよい。
- 宅配便
- 通常の宅配便では大きさ制限のため折りたたみの小口径車以外の託送は無理だが、サイクリングヤマト便[10]を利用すると国内どこでも送ることが可能である。
- 自家用車
- 折りたたみ自転車を除き、専用のキャリアに載せて運ぶ。
- タクシー
- 全国にキャリアに自転車を載せて運搬してくれるタクシーがある。[11] ただし自転車旅行では、事故、故障、悪天候など緊急避難的な場合の利用になると思われる。
- バス
- 長距離高速バスは床下に収納してもらえる場合もあるので、事前に会社に問い合わせてみるとよい。最近は他の荷物が傷つく、スペースを取りすぎるとして拒否されることも多い。
この記事「自転車旅行のコツ」は、この土地を旅したり、あるいは調べたりする際の参考になる可能性はあるものの、まだ書きかけです。加筆や訂正などをして下さるみなさんを求めています。
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