何らかの理由で編集が行えない場合は、Wikitravel:旅人の居酒屋 を参照してください。
海外出張のコツ
海外出張のコツは、主に業務で海外に出張する際にあらかじめ知っておくと便利な情報を集めたページ。
目次はじめに[編集]普段の生活拠点を離れて見知らぬ土地へ赴くという意味では、出張もいわゆる「旅行」の範疇に入るし、出かけて行く先が海外であれば、海外旅行の一類型と捉えることができる。いろいろと勝手のわからない土地であれこれ試行錯誤を繰り返しながら動き回らなければならないという点もまた、個人の観光旅行と変わらない。 ただし、旅行目的はあくまでビジネス、つまり業務の遂行であり、観光旅行とはまた別の行動パターンとなるため、観光とは全く異なる視点でいろいろと注意をしなければならない点も出てくる。また、業務出張という切り口から旅行を捉えた場合に、そのような視点から知っていると便利な情報なり、コツのようなものもいろいろとある。このページではそれらのトピックを以下にまとめてみた。 なお、ここでは、1週間~10日程度で、1都市に滞在するか、あるいは2~3都市程度をまわるようなケースの出張を想定している。 持ち物[編集]ここでは、持っていかないと仕事にならない、あるいは持っていると便利なものを取上げる。海外出張という視点で記述しているので、その他海外旅行で持って行くべきものについては、「持ち物チェックリスト (海外編)」や「究極の旅道具」のページを参照のこと。
スーツケース[編集]荷物を一式まとめて動き回るケースが比較的多いので、カートの付いたキャリーバッグ型のタイプが便利。1週間程度の出張なら、持って行く荷物を工夫すれば、手荷物扱いにできるサイズのバッグで間に合う。 セカンドバッグ類[編集]これは必需品。ファイルやデータファイル、PCのようにすぐ業務に必要になるもの(あるいは空港の荷物検査場ですぐに取り出さなければならないもの)や身の回りの物などを入れて持ち歩くとよい。また、旅行地では、そのまま仕事用のカバンとなる。セカンドバッグについてはどのようなタイプものでもよいが、機動性や使い勝手を考えると、A4ノート型PCが入るくらいのPC用バッグが、ポケットが多くて小間物をうまく整理できるので便利である。バッグの中には、カート式の旅行バッグの引き手のところに取り付けることができるタイプのものが売られている。素材も何種類かあるが、一般にはナイロン製の方が軽くて機動性がある(ちなみに、黒系統のものだと、安物でもあまり安っぽく見えない)。これらのバッグは、PCやカメラの量販店、デパート、東急ハンズなどで売られている。 海外出張を行うのであれば、商社ならば商談に必要な重要書類や機密データの入った業務用PC、製造業ならば製品のプロトタイプサンプルなど重要な物品を携帯することもしばしばあるだろう。そのような類のものは、この空港なら安全/紛失の可能性ありと考えるのではなく『(日本だろうがどこだろうが)どこの空港でもロストバゲージの可能性がある』事を前提にハンドキャリーを考えるべきである。これらの類のものは、ある意味パスポート以上に重要なもので、紛失したり破損した場合にはウン億円という単位で会社に大損害を生じてしまうこともあるからである。持ち物チェックリスト (海外編)でも述べた、コンパクトバックパックを所持することをお勧めする。普段はコンパクトにまとめられるのでキャリーバックの片隅に入れておき、いざというときにはバックパックに早変わりして、これら機密書類等を肌身離さず機内持ち込みできるのである。 ビザ[編集]意外と盲点になるのがこれである。業務・商用等の目的であっても、1~2週間程度の短期出張の場合、通常の観光旅行のようにビザなしで問題なく入国できる、あるいはビザを必要としていても観光ビザで代用できるケースが多い。ただ、国によっては業務・商用等での入国に際し、本来の業務内容に応じた業務・商用等のビザの取得と求めるところもあるので、必要なら事前にその国の在日本大使館や領事館に確認を取るようにする(電話による問い合わせ、HPでの情報収集など)。 なお、業務・商用ビザは、観光ビザに比べて発給条件が厳しく、取得にあたって現地からの招聘状や日程表などの書類提出がいろいろと求められる場合があるほか、手続にかかる日数も観光ビザの取得より長くかかるケースが多いので、ビザが必要な場合はその日数も踏まえた上での事前準備が必要になってくる。 旅行傷害保険[編集]旅行傷害保険自体は観光・業務を問わず入っておくにこしたことはないが、特に業務で出張する場合、加入時の申告をきちんと「業務目的」という形にしておく必要がある(「観光目的」で加入して現地で事故に遭った場合、不正申告と見なされて保険が下りない可能性がある)。また、現地で従事する業務の種類(危険業務等)によっては、不担保となるか、別途特約を結ぶ必要がある場合もありうるので、詳細について事前に旅行傷害保険取扱い会社のHPで保険約款を確認するか、営業店に問い合わせるようにするとよい。 なお、旅行傷害保険に関する全般的な情報については、旅行傷害保険のページを参照。 クレジットカード[編集]特にアメリカなどでホテルを利用する場合、チェックアウトまでに請求できなかった金額が発生した場合の精算を後で行う目的で、ホテルへカード番号の登録を求められることがある(その際、グループで宿泊している場合は、会社を代表して誰か一人のカード登録を求められる)。ホテル以外の場所でも、デポジットの意味で登録を求められたり、あるいは身分証明書代わりに用いたりと、基本的にカード社会である欧米などへの旅行ではクレジットカードが半ば必需品となる。 ご存知のとおりクレジットカードにはいくつかのカード会社があり、地域ごとに多少使い勝手が異なっているが、基本的に全世界で最も通用度の高いVISAカードとMASTERカードの2枚を持っていれば、ほぼすべての場面で問題ない。 なお、盗難・紛失時(最悪の場合、現地で「一文無し」となる)や、カードの磁気異常や破損等に備えて、海外出張の際には2枚以上のクレジットカードを持ち、現地では別々に管理する(ホテルの金庫と手持ちに分散させる等)ことが望ましい。一人旅などで、現地で金銭的な援助を求める事ができない場合には特にこれは必須で、万一出先でカードを盗まれたり紛失しても、ホテルにたどり着けばもう一枚のカードを使って旅行を続ける事が出来るという面でも、安心感が高まる。 時計[編集]本国との連絡の際などに時差を確認するのは思いのほか煩わしいし、特に本国が今何時なのかを頭で考えようとすると、うっかり間違えて業務前の人がいないオフィスに電話をかけてしまうようなケースも結構生じる(特に現地がサマータイムを取っていたり、隣国に移動した際に新たに時差が生じたりするような場合はなおさらである)。このため、時計を2つ持っていると便利である。 別にデュアルウォッチのようなものをわざわざ買い求めなくとも、キーホルダータイプの安物の懐中時計(空港やカメラ量販店などで1,000円程度のものが入手可能)で十分足りるし、むしろこちらの方が便利だ。旅行先で頻繁に使う腕時計の方を現地の時間に合わせておき、もう一方の懐中時計の方を本国の時間に合わせてポケットに入れて持ち歩く(つまり、旅行中、こちらの方は時間を動かさず、本国の時間に固定しておく)ようにする。必要に応じてポケットから懐中時計の方を取り出して本国の時間を確認すれば、連絡時間を間違うこともない。 なお、携帯電話によっては待受け画面に日本と現地時刻の両方を表示できるものもあるので、そちらを利用するのも手である(要設定)。 パソコン[編集]出張先のビジネスセンターのパソコンでは日本語の環境がないこともあるし、キーボードも日本の規格と異なるため、よく使う記号が見つからないなど、使い勝手が非常に悪く感じる(何よりも、自分の部屋で資料を広げて仕事ができない)。このためノート型PCも半ば必需品である。通常家庭で使用しているA4ノート型のパソコンなどは持ち歩くのには少々重たいので、A4ハーフノートサイズとか、B5タイプくらいの大きさの方がかさばらず、軽量なので使い勝手がよい(B5タイプの方が、ディスプレイが大きい分、A4ハーフノートサイズに比べて若干使いやすい)。キーの幅が多少狭いが、使用中ストレスを感じるほどではない。このようなPCについては、1日~数ヶ月の期間でレンタルも可能(インターネットで「パソコン」「レンタル」などのキーワードで検索すれば、多数のレンタル業者がヒットする)。 国外で使用する場合の電圧についてであるが、基本的に電圧変換機能がPC本体に備わっている場合がほとんどなので、電圧変換のためのトランスを用意する必要はない。ただし、国産品の場合、電源コードは220V対応になっていないことも多いので、電圧の高い国へ出張する場合は電源コードのみを別途買い求めた方がよい(パソコン量販店などで2,000円程度で手に入る)。 PCにインストールしておくソフトとして必要なのは、ワープロ(例えばワード)、表計算(同、エクセル)、プレゼンテーションシート作成(同、パワーポイント)などである。その他、辞書ソフト(同、「英辞郎」など)を入れておくと、PCそのものを電子辞書として使用できるので便利。 また、定型的な報告書の様式なども、あらかじめ雛形を作成して一式PCのハードディスクなどにフォルダを作って入れておくと、現地でゼロから作業する必要がなくなるので業務の効率が上がる。 携帯電話[編集]主に本国や出張先の相手方との連絡に使用する(業務中は自分の方が動き回り、滞在先に常にいるわけではないので、携帯電話は半ば必需品)。空港で数社が貸し出しのカウンターを設けているので、そこで借りていくとよい(なお、レンタルの電話機については、海外に出てからでないと使用できないので注意)。その他、ローミングサービス(内部のチップを替えることで、普段国内で使用している機種をそのまま海外へ持ち出せる)、普段国内で使用している海外対応機種をそのまま海外への持ち出す(ただし機種や通信会社、通話可能な地域に制限がある)といった方法も取れる。レンタルの場合、番号がわかった時点であらかじめ勤め先に番号を連絡しておくこと。出張先の相手方へは、勤め先から情報を入れておいてもらうか、もしくは到着後に一報するようにする。 また、携帯電話の電源は常に入れておくようにすること。ときに時差に無頓着な同僚が、現地の真夜中に電話をかけてきて就寝中に叩き起こされるなど、頭に来る場面も何度かあるかもしれないが、わざわざ出張中の人間に連絡を取ろうとするくらいだから、大概この手の電話には何か重要な伝達事項含まれている。しかも短時間に答えが求められる性質のものであることも多々あるから、それら重要な情報がタイムリーに伝わらないよりましと考えるべし。 なお、海外でレンタルの携帯電話を使用する場合、例えば隣の部屋の同僚に通話しているときでも、電波が一旦中継基地のある第三国に飛んで行くため、中継地の国内での通話でない限り、全て国際電話の扱いとなる。通話料金が嵩むので、通話は必要なときに、必要な要件のみにしたほうがよい。 ※海外での携帯電話について、詳細は「海外で携帯電話を使う」を参照。 USBメモリ[編集]ファイルの授受や、バックアップを携帯するためのツールとして便利である。ただし最近では個人情報の漏洩などの事故が多発していることから、USBメモリの持込み自体を禁止あるいは制限している会社なども多いので注意(あらかじめ訪問先に確認しておくとよいだろう)。また、出張先での紛失や盗難など、自分自身での情報漏洩事故を防ぐためにも、パスワードなどセキュリティ付きのものを使用するようにした方がよい。 なお、USBメモリは小さく荷物の間に紛れてしまうこともあるので、例えば首からかけるストラップに付けて常に胸ポケットに入れるようにするなどの工夫をすると、紛失しにくいし、使いたいときにすぐに取り出せる(ものによってはストラップの金具を取り付けるフォルダーの部分がチャチで、そこから取れてなくしてしまいそうな製品もあるので、フォルダー部分がしっかりしたものを選ぶとよい)。 デジカメ[編集]もちろん風景の撮影用ではない。書類や書籍、図面などの資料類や、打ち合わせの際にホワイトボードに記述していった内容を摘録として記録する場合など、デジカメで撮影してデータとして保存が出来たりと活用できる。また、移動中に現地の住所表示や施設の解説文、現場の施工状況などを記録しておくなどのように、画像を報告書作成の際のメモや資料として使うことも可能である。このような目的に特化して使用するので、機種的にはなるべく荷物にならないようなコンパクトタイプのものを持ち歩くようにするとよい。 このような用途で使用することを想定しているので、後で拡大して細かい字も読めるように、あらかじめ撮影画像のピクセルサイズは大き目(5M前後)に設定しておくと良い(画質はFineでなくBasicでもA4くらいまでの引き延ばしなら十分使用に耐える)。メモリを食うので、記憶容量の大きい予備の記録媒体も忘れずに。 また、日々の現場の施工状況のように、現地で記録した画像をすぐに本国に送信する必要があることもあるので、画像をカメラからPCに落とし込むためのカードリーダーまたはUSBケーブル(カメラをカードリーダー代わりに使用する際に必要)も忘れずに用意しておきたい。 なお、現場の状況のような写真は文字などそれほど細かい情報を求められることが少ないので、画像自体もそれほど細密なものにする必要はない。逆に細密なモードを選んで1枚あたりの容量が大きくなると、その日の施工状況の記録を複数枚添付ファイルで一度に本国に送信するときに支障を来たすことがある(このようなことから、画像のモードは状況に合わせて細かく設定し直すのがベター)。 電子辞書[編集]観光旅行と違って業務で海外に行く場合は、訪問先で相手方と突っ込んだ会話をする必要があることもある。その際、キーワードがとっさに出てこないこともあるので、電子辞書が手許にあれば便利である。電子辞書専用機を使うか、PCに辞書ソフトをインストールして使うのかはその人のスタイル次第。もちろん、場面に応じて両方を併用するという手もある。 対応している言語は英語の辞書だけでなく、ソフトウエアを入れ替える事でその他の言語の辞書になるタイプも販売されている。また日本語で文章を入力したら、そのソフトウエアに対応した言語で翻訳をしてくれるアプリケーションや、その文章を音声で読み上げてくれる高機能な電子辞書も存在する。 打ち合わせの最初の頃は、言語の違う相手に対しても理解できるような簡単な単語を選びながら話し合いを進めていくが、だんだん議論が白熱してくるとそのような余裕も無くなり、お互いに理解しがたい単語(日本語の場合、二字熟語など)が入り混じる様になるので、間違った理解をしない上でも翻訳ソフトが搭載された電子辞書があると便利である。 文房具[編集]
文房具については日本と同様のものが現地でなかなか調達できないこともあるので、よく使うものを一式持って行くと便利である。その際、普段使っているものよりコンパクトなタイプのものを一式そろえ、ペンケースなどにまとめて入れておくとかさばらない。 持っていると便利なものとして
などがある。また、ミニタイプの2穴パンチももっていると思いのほか役に立つ。 なお、通常のはさみやカッターなど鋭利な刃物を文具入れに入れたまま手荷物扱いにすると検査で引っかかり、没収されるか、別途段ボール箱などに入れてそれだけが預託荷物扱いになるので注意。 ファイル[編集]出張中に使いそうな書類や段取りのメモ、データ集などをあらかじめ1冊のマニュアルとしてファイルにまとめておくと、情報が1箇所に集約され、使い勝手が格段に向上する。もし出発前に時間があるなら、縮小コピーを使って全ての関係書類をA5程度の大きさにコピーして綴じておくと、荷物としてもかさばらない。
電卓[編集]現地でのレート計算などの際にあると便利。「とりあえずあれば便利」という程度のものなので、仕事上で本格的に電卓を使うのでもない限り、名刺サイズのソーラー型のもので十分。
プリンター[編集]必需品とまではいえないが、ポータブルタイプのインクジェットプリンターが1台あると便利である。ちょっとした資料を印字するためにいちいちビジネスセンターまで行くのは面倒だし、アメリカなど他の国ではA4とは別の規格の紙の方がポピュラーで、A4のプリントを簡単に作れないこともある(その意味では、A4の紙もかさばらない程度に持って行くと便利ではあるが)。 プラグアダプター[編集]出張先の国のコンセントの形状が日本で使われているA型のものとは異なる場合、プラグアダプタが必要になる(世界各地のプラグの形状について、詳細は世界のプラグと電圧のページを参照)。プラグアダプタについては、国に合わせていろいろな形状のものが売られているが、パーツを組み替えることで、ほぼ全世界で使われているあらゆる形状のコンセントで使用できるコンバーシブルタイプのものが便利である(カメラや電気機器の量販店、トラベルグッズの販売店などで、¥2,000くらいで売られている)。 また、PCとプリンターといったように、複数の電気製品を使うケースが想定される場合もあるので、(こちらも必需品とまでは言わないが)テーブルタップを1つ持っていくと便利である。プラグアダプターでA型から現地のプラグの形状へと変換すれば、日本製のテーブルタップがそのまま使える。 ただし言ってみればタコ足配線と同じ状態になるので、特に電圧の高い国ではこのような形態での電気製品の長時間使用はあまりおすすめできない。PCやポータブルプリンターのようにバッテリーで駆動できるものはなるべくあらかじめ充電しておいたバッテリーに頼り、なるべくプラグから電気を取るようにしないようにするのもコツといえばコツである。 なお、プラグアダプタとテーブルタップによって、日本のA型タイプのプラグの製品が使えるようにはなるが、アダプタで変換されるのはあくまでもプラグの形状だけで、電圧まで変わるわけではない。例えばインドなどのように、220Vの電圧を一般に用いている国であれば、いくらプラグアダプタを用いてプラグの形状を変更しても、流れてくる電圧は220Vのままなので、日本製の電化製品を使う場合、世界中で使われているどの電圧にも対応できるワールド仕様の製品か、そうでなければ途中変圧器を噛ませないと、高電圧が原因で機器類が故障したり、あるいは発火事故などが生じるおそれがるので、くれぐれも注意したい。 チャック付きの袋[編集]帰国後の旅費の精算などの際、現地で貰う領収書が会計関連の証拠書類として必要となることがあるが、現地でものを買ったりした場合に、出張の経費から出せるものと、自分のサイフから出さなければならないものとが混ざってしまうことがよくある。あとでそれらのレシート類を仕分けるのが難しくなることもあるので、あらかじめチャック付きのビニール袋を複数用意し、現地でレシートなどを貰う都度、それらを整理して入れて整理しておくようにする。入れ間違いないように、それらの袋にマジックなどで目立つように用途を記入する、用途に応じて色違いのものを使い分けるなどの工夫もするとよい。 服装に関するコツ[編集]観光旅行と違って、海外出張の場合、スーツなど仕事用の服装を持ち歩く必要が出てくる。ここでは出張の際の服装について記述する。 持っていくか、着ていくか[編集]出張に出発する際、あるいは移動時の格好としては、スーツを着た格好で私服をスーツケースに入れて持ち歩くケースと、私服を着てスーツなどをスーツケースやガーメントバッグに入れて持ち歩くケースの2パターンが考えられる。 これについては別にこうという決まりがあるわけではなく、(現地に着いたらすぐに業務に入るケースを除けば)どちらのパターンでも別にかまわないが、持ち歩く荷物の量で考えると、経験上、最初からスーツを着ていくパターンの方が、逆のパターンより持ち歩く荷物が格段に少なくなり機動力が増す。着いた日に業務がないのにスーツを着ていくのは何となく億劫だし、狭い機内では私服の方が楽、なおかつ最初からスーツでは狭い機内の座先(とりあえずエコノミークラスを想定している)でしわになってしまう心配もある。でも、2つのパターンを実際に試してみれば、移動時にどちらが楽かすぐわかるはずだ。 ロストバゲージ対策として[編集]スーツの方を着て移動するパターンは、ロストバゲージ対策(ここではガーメントなどの手荷物ではなく、スーツケースにスーツなどを入れて持ち歩く場合を想定)としても有効である。 具体的な名前を出してやや恐縮だが、例えばイタリアなど、国際線から国内線への乗り換え時などにロストバゲージが比較的頻繁に起こる国への出張ならなおさらのこと。空港でロストバゲージの手続きをしてから、最悪の場合荷物が滞在先に届くまでに1~2日かかることもある。理由を述べれば私服での訪問でも相手方も納得してくれるが、いつも仕事でスーツを着ている人なら、私服で相手先を訪問すること自体心理的にも敷居が高いように感じられるし、居心地が悪い場合も多いことだろう。ビジネスには格好もそれなりに重要な要素だし、最初から出鼻をくじかれたようで調子も狂う。業務を前にしてロストバゲージはつらいものだが、万一の場合でもせめて格好だけは確保すると言う点で、スーツを着て行くのは保険の意味もあるのだ。 着ていくスーツについて[編集]どのような色のスーツがよいかであるが、これも特に決まりはない。ただ、ダークスーツ系の方が、汚れが目立たないので重宝である。しわになりにくい生地でできたスーツ(「トラベラーズ」などのブランド名)も売られているので、そのような点も参考にするとよい。 1週間程度の出張なら、スーツは1着で十分。ガーメントなどの専用のバッグで持ち歩く場合であっても、スーツは思いのほかかさばり、特に移動時に機動性が極端に悪くなる。別におしゃれをしに行くわけでもなし、こちらが出張の身であることは分かっているわけで、同じ服を着ていたからといってどうこう言うはずもない。もし気になるようなら、異なる系統の色や柄のシャツやネクタイを持って行くことで、バリエーションを変えるようにすればよい(ちなみに、暑い国への出張の場合、出発時にズボンの下にステテコなどのいわゆるズボン下をはいていくと便利である。これについて詳細は「究極の旅道具」を参照)。 なお、私服で移動する場合であっても、靴やベルトなどは、当然ビジネスに合わせたもので間に合わすようにする。荷物はなるべく少ないほうが機動力が増すので、ビジネス・カジュアルをそれぞれ用意するのは得策とは言えない。その際、服によっては黒い皮のベルトや靴が合わない私服もあるので、この場合は、私服の方をそれに合わせたものに調整するようにする。例えばズボンをジーンズではなくチノパンやスラックスにすれば、ビジネスシューズやスーツ用のベルトでもそれほど違和感がない(なお、片面が黒で片面が茶色になっており、バックルを付け替えるだけで両面が使えるコンバーシブルタイプのベルトというのもあるので、そのようなアイテムをうまく利用するのもよいだろう)。 スーツなど仕事着のケア[編集]取引先などに出かけて行くのに、シワだらけのスーツではあまり好印象を持たれないであろう。些細なことだが、たとえ出張の身であってもスーツなど仕事着のケアは欠かせない。出発時に着て出かけて行く場合であれ、ガーメントバッグで持ち歩いている場合であれ、しわを取るために、ホテルにチェックインした後、その日に特段業務がなければ、まずすぐにスーツを脱いで普段着に着替えてしまい(あるいはスーツケースやガーメントバッグから取り出して)、クローゼットのハンガーに架けなおすようにする。また、ワイシャツ類も同様に、クリーニングでたたまれた状態のものを袋から出して、ハンガーにかけ直しておくようにするとよい(ホテルによっては部屋にアイロンとアイロン台を置いているところもあるので、しわが気になるようならそれを利用するという手もある)。なお、スーツ類については、大抵のホテルでプレスサービスを行っているので、それを利用してもよい。 着替えについて[編集]スーツなどの仕事着[編集]既に述べているが、1週間~10日程度の出張なら、スーツは1着で十分である。ワイシャツ、ネクタイなどについてはそれぞれ2~3セット用意する(移動が多く、頻繁に宿泊先を変えるような場合は、すこし多めの方が便利なこともある)。その際、出発時にスーツで出かければ、スーツケースの中には持って行くセット数マイナス1セットだけ入れればいいことになるので、1着分の荷物を減らすことができる。 普段着[編集]仕事中はスーツに身を包んでおり、普段着に着替えるのはせいぜい夕方~夜にかけてホテルにいるときや、出張中のオフの時間帯にちょっと外に出かけるときくらいなので、普段着の着替えはそれほどいらない。シャツ1~2着、ズボン1着程度で十分。靴下やその他下着類については、移動が重なって洗えないことなども想定して、それより若干多め(プラス1~2セット程度)を用意しておくとよい。 クリーニング[編集]海外出張の場合、PCや書類など、普段観光旅行には持って行かないような余分な荷物が増えるので、なるべく着替え類などは最小限に抑えたい。そのためには、例えばホテルのランドリーサービスを積極的に活用するなどの手段も考えた方がよい。通常ホテルの宿泊客は短期滞在者が中心なので、ランドリーサービスでは、その日の朝ランドリーバッグに入れて出しておけば、大抵翌日には仕上がるし、ワイシャツなどは追加料金を払えば朝出して夕方までに仕上げてもらうこともできる(ただし、休日やクリスマスなどの祝日にはこのようなエクスプレスサービスが利用できないこともある)。 ただ、ホテルのランドリーサービスはおしなべて値段が高いので(特にヨーロッパやアメリカなどのホテルに滞在する場合)、何日か同じホテルに滞在するのなら、下着類などはあらかじめ洗濯石鹸など持参して、部屋の洗面所で洗ってしまうこともできる。その辺りは滞在日数や懐具合、出張経費として認めてもらえるかなどの諸点を考慮の上、各自対応すればよい。 なお、ワイシャツをクリーニングに出すときに気をつけなければいけない点として、仕上げ方の指定がある。ホテルによっては「ハンガー仕上げ(Hanger)」か「たたみ仕上げ(Fold)」かを選択でき、伝票にどちらを選ぶかチェックするようになっている場合がある。翌日にチェックアウトして他の都市に移動する場合などは、そのシャツを着てチェックアウトする場合を除いて、必ずたたみ仕上げを指定しておくこと。ハンガー仕上げにしてしまうと、自分で折りたたんでスーツケースに入れることになり、しわになってしまうからである。 ちなみに、ズボンをプレスしたい方は、要注意。海外ではズボンプレッサーが用意してあるケースはほとんど無く、その代わりにアイロンが標準装備してあることが多い。なので、海外出張される時は、アイロンが使えたほうが良い(ホテルによってはズボンのプレスをランドリーサービスで頼むことができるが、もちろん、その場合は別途料金がかかる)。 ホテルにチェックインしたら[編集]以後の業務を円滑に行うため、まず現地のホテルにチェックインしてからすぐに行った方がよいことを以下にまとめてみた。 「オフィス」のセットアップ[編集]部屋の机やテーブルなどを利用して、オフィスのセットアップにかかる。「オフィス」というのは多少大げさだが、PCや周辺機器を部屋の机のところにセットすることや、仕事に必要なファイルや文具類などをそろえることなどが中心になる。中でも特に重要なのがメールやインターネットなど、通信手段の確保であり、これをまず終えておかないと、本国との連絡やファイルのやりとりに支障を来たすことになる。 最近では各部屋に無料のポートがあり、PCさえあれば簡単にインターネットの環境が準備できる場合もあるが、場合によってはホテルのサーバーに接続する手続きを必要としたり、あらかじめ登録してある海外ローミングを使用するためのダイヤルアップ設定をしなければならなかったりなど、あれこれ試行錯誤が必要な場合もある。 ビジネスセンターなどの施設のチェック[編集]泊まっているホテルにビジネスセンターがある場合には、そこでカバーできる業務の内容(インターネット、プリントアウト、コピー、Faxなど)をチェックしておく。ホテルによってカバーしているサービスに差があり、いざというときに期待していた役割を果たしてくれないこともあるので、あらかじめ情報を仕入れておいたほうがベターである。またホテルによってはビジネスセンターが24時間オープンではない場合もあるので、時間も必ずチェックしておく(ちなみに途上国の場合、何台か専用のブースを持ち、国際電話での通話を商売にしているといった形態の店(さしずめ、「電話屋」とでもいうべきか)もある。なお、このような店がFaxやインターネットを同時に扱っているケースも多い)。なお、時間に余裕があるなら、ホテルの周りにコンビニやインターネットカフェがあるかチェックしておくのもよい。場合によってはそれらの施設が、コピーやプリントアウト、インターネット、Faxなど、ビジネスセンターの代替機能を果たしてくれることがあるからである。 メッセージなどのチェック[編集]自分が移動している最中に、出張先で会う相手方から急ぎの用件が勤め先に入り、それが転送されていたりすることもあるので、PCのメールアドレスやホテルのフロントなどに本国や相手先などからメッセージが届いていないかを、小まめにチェックしておくとよい。通常は、ホテルにチェックインしたり、外出先から帰ってきたときなどに何かメッセージが届いていれば、フロントがそれを渡してくれるし、部屋に滞在している場合などは、適当なタイミングで届いているメッセージをボーイが部屋まで届けてくれることもあるが、急ぎのメッセージなどの場合は、とりあえずフロントに都度メッセージが届いていないか確認してみるとよい。 本国との連絡業務のコツ[編集]出張中は業務の中でも特に本国や仕事の相手先とのやりとりなどとの連絡業務が重要な位置を占めるようになる。ここでは連絡業務で注意しなければならない点や、知っていると便利な事柄を述べる。 電話・FAX[編集]通話する前に、現地の時間と本国の時間を確認しておく。Faxはともかく、電話の場合はまずこれが必要となる。特にヨーロッパなどのように地続きの国を移動していて、途中で時間帯が変わった場合、あるいはサマータイムを採用している地域からそうでない地域へ移動した場合などは要注意(朝一番を狙ってかけたつもりが、まだ本国は始業前、などということも生じるため)。 Faxは、基本的にはフロントやビジネスセンターのものを利用することになるが、ホテルによっては、事前にリクエストすれば滞在中自分の部屋に専用のFax を設置することもできる(当然別途料金がかかるが)。本国との連絡をFax で頻繁に入れなければならないような事情がある場合には、いちいちビジネスセンターを通すのは面倒なので、このような方法が取れるか確認してみるとよい(ホテル側の機器の台数に余裕があれば、比較的簡単に設置できる)。 なお、海外とのFaxの送受信の際、送る側も受ける側も国際電話が使える環境にないと送受信ができないものと勘違いしている人が結構いるが、国際通信が使えないように回線があらかじめ設定されており、海外へのFax送信ができない場合であっても、受信自体は全世界どこからでも可能である。 インターネット・メール[編集]勝手を知らないと出張先で意外と手こずるのがインターネットやメールの送受信である。特に海外では日本と細かなところで使用環境が異なっている場合があり、本国とのやりとりや相手方とのファイルの授受などに支障をきたすことがある。ここでは、そんな海外でインターネットやメールを使う場合のコツなどについてまとめてみた。なお、海外でのインターネット利用については「海外でインターネットを使う」も参照のこと。 プロバイダーによるメールサービス[編集]緊急連絡の手段などのため、無料のメールアカウントを取得しておくとよい。 代表的なプロバイダーとしてYahoo!Japan(Yahoo!メール)やGoogle(Gmail)、Microsoft Network(Hotmail)などが挙げられる。これらのサービスでは、煩わしいメーラーの設定を行わなくても、ブラウザでネットが閲覧できる環境であればメールの閲覧が可能なので、海外出張中でも一時的なプライベート用連絡ツールとして利用するには適しているといえる。 ただし、無料アカウントをビジネスの場に使うには情報リテラシーの考え方から有効な手段ではなく、あくまでもプライベート用と考えるべきである。会社から与えられるメールアカウントは、大抵どこの会社でも自社の企業名が用いられており『名刺』と同様、身分を示す情報である。取引相手の立場とするなら、アカウント名にその会社の名前が入っていれば「取引先の社員の方だな」と安心して情報を発信できるが、無料アカウントを用いて情報のやりとりを行おうとすると、「得体の知れない人だな…」と思われてしまうだろう。ビジネスの場ではメール一通でも書類と同様で「言った」「言わない」の証拠として効力を発揮することもあり、一定期間未使用の状態が続くとアカウントが消失してしまう無料アカウントをビジネスの場に用いるのは国内外問わず適切ではない。
ローミングサービス[編集]Niftyなどのプロバイダーの中には、海外でインターネットを使う際のローミングサービスを行っているところがある。料金が固定制のものや従量制のもの、電話線を使ったダイヤルアップや高速回線仕様のものなど、いくつかのタイプがあるので、どれが使いやすいかを検討の上で申し込むとよい。最近ではホテルの部屋からインターネットに簡単に接続できるケースも増えてきているが、現地の情報が事前に得られないこともあるので、ローミングを登録しておくと、いざというときに役に立つ。なお、海外ローミングサービスを使用する場合、渡航前に専用のソフトをインストールしたり、あるいは滞在先でアクセスポイントを設定するなど、一定の操作が必要になる[1]。 文字化けや添付ファイルの送受信対策[編集]現地でメールを読もうとしても、文字が化けてしまったり、あるいは文字が表示されないなどの現象が生じることがある。その際は、エンコードの設定を変えるなどの操作を試してみるとよい。 特に添付ファイルについては、本国と現地とでやりとりをしようとする場合、ファイル名に平仮名や漢字、アクセント記号の付いたアルファベットなど、いわゆるアスキー文字(ASCII)以外の文字を使用していると、エラーになってファイル自体が送れないといったことが結構起こる。このため、添付ファイル名は全て半角英数字で作成するようにあらかじめ同僚などファイルの授受をしそうな人たち(特に本国側の人間)に周知徹底しておくとよい。また一部の国では、ファイル名にブランクを使用すると、同様に送受信障害が起こることがあるので、なるべくブランクを用いない形(例:"Wikitravel_main_ page"なら"WikitravelMainPage"のように入力し、単語の区切りは大文字で表現する)にしておくとよい。 また、大容量の添付ファイルについても送受信障害が生じやすいので、なるべく大容量のファイルのやりとりは行わないようにした方がよい。仮にそのような大容量のファイルの授受が必要な場合であっても、可能なら適宜分割してファイルを送受信し、あとでつなげるなどの工夫をするとよい。なお、相手方で受け取れるメールの最大容量を設定している場合もあり、その場合は設定容量超えると同様に受信できないので注意が必要である(逆に送信する側に容量制限がある場合もある)。 大容量ファイルの授受[編集]上と多少重複するが、勤務先によっては、送受信できるメールの容量に制限を加えており、細密な画像やパワーポイントの資料など、大容量のファイルの送受信に支障をきたすことがある。その場合は、インターネット経由でファイルの授受ができる宅ファイル便などのサービスが便利である。利用にあたってはユーザー登録が必要なので、あらかじめ登録しておくとよい。登録は送信者のみで、受信者の登録は不要。50メガバイトくらいの容量までなら無料で送ることができる。 ただし、宅ファイル便の場合、送付したファイルをサーバーに保管できるのは最大72時間なので、相手方に通知が届いたらすぐにローカルのPCなどにダウンロードするように伝えておく必要がある(自分がファイルを受け取る場合も同じ)。また、通信環境の極端に悪い国の場合、大容量のファイルをアップロードしたりダウンロードしたりすること自体に多大な時間がかかることがあるので注意が必要である。 ファイルのバックアップ[編集]ファイルをUSBメモリースティックなどの媒体に入れて持ち歩くといった方法以外にも、たとえば自分のホットメールのアドレスに一旦添付ファイル付きのメールを送信する、あるいは自分のアドレスあての宅ファイル便に一旦ファイルを預けるなどの方法で、別のサーバーにファイルをバックアップしておくという手がある。ただし、この場合、一度に送信できるファイル数が限られていたり、あるいは保管期限が定められているなどの制約があるので、あらかじめそれぞれの制限をチェックしておいた方がよい。 停電対策[編集]途上国の中には、インフラの老朽化や電気の供給が需要に追いつかないなどの理由で頻繁に停電が起こったり、あるいは東日本大震災の時に一時東京とその周辺のエリアで電力不足への緊急対応として行われていたような、特定の曜日の特定の時間帯に特定の地区を停電させることで全体の電力供給自体を調整する、いわゆる「計画停電」をごく日常的に実施している国がある。 このような国で気をつけなければならないのが、PCなど電子機器類の故障対策である。このような頻繁に起こる停電の復旧時に、とんでもない容量(及び電圧)の電流が一時的に流れることがあり、落雷のときと同じように、プラグにつないだままの電子機器が故障することがある。 停電は数時間続くこともあれば、すぐに復電することもあったりと予想が付かないので、停電が起こったら、とりあえずすぐにプラグを抜くこと。また、計画停電のスケジュールがあらかじめ分かっているときは、それに合わせてPCや周辺機器類の充電を済ませておくなどの対策を取るとよい。 その他業務に関連するコツ[編集]相手方と名刺交換をしたら[編集]貰った名刺には必ず日付や場所、どの場面でもらったものかなど必要最低限の情報を記入するようにする。このあたりのことは国内の業務の際にも当てはまるコツであろうが、海外出張の際には特に留意したい。 海外では、同一人物がいくつもの役職を兼ね、それに応じて名刺まで使い分けているようなケースがままあり、たまたま今回の業務のカウンターパートとしての名刺を切らしてしまっているため、同じメールアドレスが書かれた全く別の名刺を連絡用に渡される、といったようなケースもある。その際、必要最低限の情報を書き込んでおかないと、あとで見たとき一体いつ何の業務に関連してもらった名刺なのかすら分からなくなり、情報価値が落ちてしまうからである。なお、名刺のアドレス帳としての活用方法については、「「持ち物」の項目中2つ目のコラム」を参照。 出張中の食事の調達[編集]デリカのススメ[編集]ホテルの食事は高いし、バリエーションにも欠けるので、状況に応じて外のデリカテッセンなどをうまく利用するとよい。アメリカなどを例に取ると、街角のデリカテッセンはハンバーガーなどのパン類に加え、中華料理やその他各国の料理を扱う店が揃っているし、大抵はホテルよりはるかに安くそしてうまい食事が調達できる(ホテルにもよろうが、宿泊先の一流ホテルで朝食を頼んだ際、大しておいしくもなく、また見た目にもぱっとしない朝食に20~30ドルもの法外な料金を請求されることもある)。 食事をするカウンターがあるなら店先で簡単に食事を済ませてもよいし、テイクアウト専用なら(ちなみに、アメリカでは "teke out" より、同じ意味で "to go" の方をよく使う)ホテルに持ち帰るなり、近くの公園などで食べるようにしてもよい。ホテルの中でしか食事の調達ができないような事情(会議で詰めていなければいけないとか)を除いて、ホテルの外で食事を調達した方が、食事のバリエーションにも富むし、気分転換にもよい。 健康管理[編集]
日本とは違う時間帯に根をつめて仕事をする関係上、出張中はどうしても体に無理が来る。健康管理には十分留意したい。ここでは、出張中のメンタル・ケアも含めた、健康管理に関するコツを取上げる。 常備薬を忘れずに[編集]国によっては日本で簡単に買える薬に処方箋が必要となるなど、思うように薬が調達できないこともある。また、アジアなどの国の中には、日本では処方薬としてしか認められないような強い成分を使った薬も平気で売られていることもあるようである。このようなことから、普段使い慣れている薬や日常飲んでいる薬などの、いわゆる常備薬はくれぐれも忘れないように注意したい。 時差ぼけ対策[編集]出張する地域によっては、時差ぼけも頭の痛い問題だ。時差ぼけ対策として、「現地でも本国の生活パターンに従って行動するようにすれば時差ぼけは生じない」云々の物言いをときどき目にするが、ちょっと考えてみれば、これがいかにナンセンスな答えかわかるだろう。なぜなら、そのような行動パターンが可能な国というのは、基本的に本国と同じ時間帯か、よくてせいぜい2~3時間程度の時差の地域に限られるのであり、本国と同じ時間で生活できない地域でまさに時差ぼけに悩んでいるのだから。 さて、時差ぼけに対する特効薬は、といいたいところだが、残念ながらそのようなものはない。せいぜいよくてこれから出かけて行く地域での時差ぼけの生じ方を把握することと、根本的な解決ではないにせよ、部分的に対症療法的な対応が取れるくらいである。ただ、全く知らないよりはいくらかましで、少しは時差ぼけの緩和に寄与できるかもしれないので、以下に若干の注意点を述べておく。 まず、時差ぼけの生じ方だが、一般に西回り(つまり、日本から見ればヨーロッパ方面)の方が、東回り(アメリカ合衆国方面)に比べて時差ぼけの出方がきつくないと言われている。これは、人間体内時計が、1日の周期が長くなる方が一般に順応しやすく、逆に、短くなる方には順応しづらいため、1日の周期が短くなる東回り航路のほうが、1日の周期が長くなるヨーロッパなど西回り航路に比べて時差ぼけの症状が重くなるからだと言われている。 またフライとスケジュールで見ても、一般にヨーロッパ方面のフライトの場合、大体夕方近くに日本を飛び立って太陽を追いかけるように飛び続け、現地の夕方から夜に到着するケースが多く、大抵は着いたその日にすぐに眠ることができるし(飛行機の中では眠れず、寝不足状態で到着することが多いので、大抵はぐっすりと眠ることができる)、逆に、アメリカ方面など東回り航路の場合、日本を朝~昼頃にかけて飛び立ち、丸一日おいて(正確には、日付変更線を東に越えるので、丸1日短縮したことになる)現地の早朝~お昼ごろ到着し、そのまま業務に突入するケースが多いため、西回り航路に比べ、体に対する負担が重くなることも東西で時差ぼけの負担に差が出る原因の一つではないかと思われる。加えて、ヨーロッパ方面は時差にして(サマータイムの有無にもよるが)8時間~9時間程度に収まるが、アメリカの場合、東海岸だと時差が(同)13時間程度と、昼夜が逆転するのも余計につらい理由であろう。 次に時差ぼけ対策だが、多少つらくてもなるべく現地の日中にがまんして起きているようにし、現地の生活リズムに少しでも体を合わせるようにする、の一言に尽きる。一般には、現地であまり不規則なリズムではなく、規則正しい生活リズムで過ごした方が、時差ぼけの回復は早いと言われている。その際、眠いからと言って日中あまりしっかりと寝てしまうのではなく、少しまどろむ程度にして我慢しているほうがよいらしい。 また、日中なるべく日の光を浴びるようにするという方法も、時差ぼけ克服の対策方法として一般によく引き合いに出される。その説によれば、そもそも人間の生活リズムはきっちり24時間というわけではなくて1~2時間程度の時差を持っており、我々はそのように時差を抱えている体内時計を、日光を浴びることで常に修正しているのだそうだ。そのような体内時計にもともと備わっている時差調整機能をうまく利用して時差の緩和に使おうというのがこの方法である。だだし、これもまたよく言われることだが、そのようにして修正できる時間というのは、1日あたり1時間前後で、ドラスティックに体内時計を修正し直すことはできないようだ。 なお、現地の時間に寝ようとしてどうしても寝付けない場合、睡眠導入剤を服用してみるという手も考えられる(「睡眠導入剤」といっても、睡眠薬のような、処方箋を必要とする強い薬のことではなく、ここではドリエルのような、空港の薬店でも買えるタイプの睡眠改善薬のことを想定している)。ただし、薬の効き方は個人差が大きく、服用してもほとんど効かない場合もあるようなので、あまり大きな効果を期待しないほうがいいかもしれない。 その他、時差ぼけ対策はWeb上でもいろいろな記事で紹介されているので、出発前に一読しておくとある程度の参考になる(ただし、何度も繰り返すようで恐縮だが、時差ぼけに対する短期の対応方法というものは基本的にない)。 気分転換[編集]
日中は四六時中仕事で走り回り、早朝や夜中には時差に苦しめられながら本国との連絡に走り回らなければならないような状況でも、よく見直せば、例えば就寝前や起床時、業務の合間の手待ち時間のような、いってみればアイドリング状態のような時間がどこかに必ずある。そのような時間を見つけたら、積極的に活用して、気分転換に努めた方がよい。まとまった時間が取れなくても、ちょっとした細切れ時間でもできる気分転換はいろいろあるはず。効果的に気分転換を図ることで、体への負担も違ってくるし、仕事の能率も増す。以下にその一例を紹介する。 散歩のススメ[編集]欧米などの都市では、街中に広大な公園があるところも多く、朝の散策にはおすすめである。特に日中は業務で観光などもままならないので、早朝の時間は貴重である。例えば起きてから朝食までの間にちょっとホテルを抜け出して、まだ活動を始めていないような街の通りや、それほど人も多くなく、凛とした雰囲気の漂う朝の公園を30分ほどブラブラするだけでもいい気分転換になる。 食事で気分転換を[編集]もともと仕事をしに出かけているわけで、接待の機会とか、オフのようなフリータイムも多少ありこそすれ、観光旅行に比べれば地元の見どころなどを巡る時間は圧倒的に少ないし、出張中は食事(とか、あとは寝ること)くらいしか楽しみがなくなる。だからこそ、むしろそれをうまく活用して、食事にバリエーションを持たせることで気分転換を図るとよい。
おみやげの調達[編集]出張先から[編集]おみやげの調達というのは、それが好きな人以外はいささかうっとうしいものだが、どのようなものであれとりあえず買って帰るに限る。勤め先から支出される経費で、しかも国内ではなく海外に出張しているとなれば、自費で観光旅行に行っている場合とはまず違った目で見られるからである。何も買っていかずに帰れば、表向きはともかく、「経費で海外に出張に行っているくせに」とか何とか(こちらの現地での苦労など理解すらしようとせずに)言う輩が必ず一人や二人はいるので、これもある種「重要な業務」の一環と割り切って対応した方がよい。 例えばポルトガルへの出張でフランスのみやげを買って帰っても文句を言う同僚などいないだろうから、最後に立ち寄る大きな乗り換え空港で調達すると余計な荷物を持ち歩く時間が短縮できて便利である。ただし、途中の乗り換え時間が1時間程度しかないような場合は、なるべく帰路のはじめに利用する空港でおみやげ類を調達したほうがよい。飛行機の発着が遅れて乗り換え空港で走って乗り換えるようなケースもあり、その場合は乗り換えの空港でのおみやげ調達どころではなくなるからである。 最初に利用する空港が地方の小さな空港で、免税店があまり充実していなくても、保険の意味でとりあえず何か買い求めておき、もし乗り換え空港でよりよい物が調達できたなら、最初に買った物を「おまけ」として一緒に配ってしまうという手もある。 出張先へ[編集]もし、出張先の現地に駐在員として送りこまれている同僚がいるのであれば日本からお土産を持参してあげると喜ばれるだろう。電話等で連絡を取り合う機会があり本人から直接リクエストを聞ければよいが、そうでない場合にはどうするか? 菓子詰めとか普段の生活に関わらない特別な物よりも、もっぱら当人の趣味や嗜好に関連した物の方が喜ばれる傾向があるようである。例えば、その人が大の巨人ファンならばベースボール雑誌(ジャイアンツ優勝記事)を購入して持参するとか、お酒好きならば出発便を待つ間に免税店で日本酒を購入するとか、現地では手に入り難いが日本ならどこでも手に入るありきたりな物を持参していくと良いだろう。 なお、現地で手に入らないからこそ、そのような「おみやげ」を同僚氏が所望するケースも多いと思うが、日本のスポーツ新聞やグラビア入りの雑誌類、ビデオ、カレンダーなどのおみやげについては、ものによって現地の税関で見つかると没収される場合もありうる(特にイスラム教国など風紀の取締りが厳しい国)ので注意が必要である。 心構えその他[編集]国外出張する上で、留意しておきたい事[編集]
その国の事を「好きになるか嫌いになるか」言葉や文化の違いもあるだろうが、まずは食事であろう。 食事は毎日の様に付きまとう出来事であり、その国で日常に食べられているものがNGと言うことならば、出張期間中わずかな楽しみすら感じる事が出来ず、滞在先のホテルに居てもリラックス出来ない毎日を過ごすことになるであろう。国外にも日本料理を取り扱うお店があるが、得てして「不味い」か「高い」のどちらか、あるいは両方と考えておいた方がよいだろう。 現地の食事に慣れる事ができれば問題ないであろうが、こればかりは「何かをすれば大丈夫」と対策が建てられるものでもなく向き・不向きとしか言いようがない。
業務で移動している以上、機密書類や発表前の製品試作サンプル等、業務上重要機密機器を持ち歩くことがあるだろう。出張を旅行気分のつもりで考えていると、心の緩みから紛失や盗難といったトラブルに繋がってしまう。気を付けていたにも関わらず起きてしまった事についてはお叱りと始末書で勘弁してもらえるやもしれないが、起こりうるべくしてなったのであれば、始末書どころか下手するとクビにもなりかねない。そうならない為にも…
など、他にも気を付けることは多々あるだろうが、とにかく思いつく事は対処しておくのに越したことは無い。
国内出張との大きな違いは時差があるその一言に尽きる。 ついその事がポッカリ頭の中から抜けて日本時間が真夜中である事を忘れてて、国内にいる上司に判断を仰ごうと電話したら「今、何時だと思っているんだ!!」とどやされることもあるだろう。逆に、自分が寝ている時間帯に国内からTELがあってたたき起こされるなどという事もあるだろう。そうならない為にも…
などなど、対応の仕方が考えられる。 国外出張の場では容易に情報伝達できる環境にあるとは考えず、情報伝達の頻度を少なくする為にも自己判断で対処できるようにマニュアル類の準備は万全にしておくべきであろう。
今でこそ、容易に海外旅行にも行けるようになったし、海外に仕事の拠点があって渡航する頻度が高くなったというものの、まだ海外出張というのは万人に機会が訪れるものではなく敷居が高いのはいうまでもない。「海外出張に行って来い!」と上司に突如言われることもあるだろうが、その実はちゃんとやっていけるだろうが、プロジェクトの成功そのものもあるが、現地の人とのコミュニケーションや、現地での生活・体調管理など業務外の事でも心配の種は尽きない。国内ではバリバリ働く謂わばエリートとして活躍できる人も、海外でも活躍できるだろうと期待して出張させたら、現地の生活や仕事の流れがつかめず精神的につぶれてしまったという例もある。 上司から期待されて海外出張を命じられたから、「期待に応えよう」と慣れない環境で普段以上のがんばりを見せようと逸る気持ちもあるだろうが、敢えて無理や無茶をせず肉体的・精神的に無理のないように自分をコントロールすることが大事である。それでもダメ!ということであるならば、早めにギブアップ宣言を行うことも大事。無理をしたために、業務が継続できなくなりドロップアウトしたいうことになったら、自分自身にとっても、会社にとっても不幸としか言いようがない。
日本ではバリバリ働ける名うてのサラリーマンであったとしても、出張先の国で日本国内で行ってきたノウハウがそのまま通用するかと言うと必ずしもそうではない。日本の諺の『郷に入れば、郷に従え』という言葉がそのまま当てはまり、その国の国民性を理解して対応を誤らないように注意する事が大事である。外国人と言えども人と人のやりとりをするのであり、コミュニケーションを円滑に進める為にも、まずは『彼を知り己を知れば百戦して殆うからず』である。 日本の仕事の場において「納期を守る」「5分前行動」「ほう・れん・そう」と言った当たり前の事が相手の国とっての常識ではなく、日本式のやり方を現地の人に強要した為に反感を買って上手く機能しなくなり、しまいにはノイローゼになって帰国というケースもしばしば聞かれる。 現地の人と仕事を一緒に行うのであれば、相手の国の考え方を理解し尊重する一方で、自分自身も「ビジネス」を行っているわけなのだから譲れないところは譲歩せず、うまく協力する事がベターである。 押さえておきたい国民性・気質[編集]日本国外でその国の人と上手く付き合い、仕事上のおけるパートナーシップをうまく構成するには、何よりも相手の国の国民性・気質を知らなければ、良好なパートナーシップを築くことは困難であろう。国外出張で五分五分の対等な立場で交渉を行うにしても、現地工場の長として現地採用の工員を指導する立場になったとしても、良い仕事の成果を求めるのであれば、その国の人の気質や考え方を知らなくてはならない。 この節では、ビジネスの場でも関わってくる各国の国民性や気質について列挙する。(当然のことながら、すべての人に当てはまる訳ではないので丸ごと鵜呑みにせず、参考程度にする事)
|
|