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世界のマクドナルドから旅を楽しむ

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世界のマクドナルドから旅を楽しむ

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これは「旅のテーマと主な目的地」の記事です。
ワイ(合掌)をするドナルド(バンコク)。BTSチットロム駅近くの店舗などでお目にかかることができる。

世界各地を旅する際の楽しみ方として、あらかじめ何か一つのテーマを選び、同じようなパースペクティブから、旅行中に立ち寄ったいろいろな国や街、あるいはそこに住む人々の暮らしぶりや文化などを観察することで、ちょっとした文化人類学、あるいは文化論や民俗学などといったようなアプローチからの比較を試みてみる、といったような旅の楽しみ方もある(人によってはそのようにして選んだテーマを追い求めるうち、「趣味が嵩じて」ある種のライフワークのようなものにまで発展する場合もあるだろう)。マクドナルドもそんなテーマとして選んでみて楽しいものの一つといえる。

このページでは、マクドナルドを切り口とした旅の楽しみ方の一端を紹介していく。


目次

何故マクドナルドか?[編集]

「世界の言葉 マクドナルド」?

日本では一昔前に「世界の言葉 マクドナルド」というCMが流れていたことがあり、それはそれで魅力的な響きを持つキャッチコピーだったと記憶しているが、実際海外へ出かけてみて、マクドナルドは本当に「世界の言葉」となっているのか?という疑問をふと抱いたことがある。一見同じように見える世界のマクドナルドも、細かく眺めてみれば、それぞれに異なる部分を持っているのではなかろうか、と。

そのような素朴な疑問を抱きつつ、訪れた世界各地の国々でマクドナルドをつぶさに眺めてみれば、やはり「世界の言葉」と言えそうな部分がある一方で、必ずしもそうではない部分があるね、ということになろうかと思う。

一般に、ある国の企業が他の国へ展開しようとする場合、その土地の宗教や食文化、あるいは法令など、進出しようとしている地域の様々な規制を受けることになる。企業としてはコスト面からもできるだけ規格化された形で商品を売り込みたいわけだが、一方でローカルルールを無視しては企業活動が成り立たないこともあり、それらの諸要素とある程度「妥協」をする必要が生じてくる。

その結果、「世界共通」を謳いながらも、ある面でローカライズされた部分、つまり、世界共通の「言葉」とは必ずしも言えない、言わば「方言」みたいな部分というのが生じてくるのだ(また、トラベルライターの古谷江美子氏によれば、マクドナルドには、もともと「Think Global, Act Local and Sell like a Retailer(世界的な視野で考えよう、地元に密着して活動しよう、小売店のように売ろう)」という経営理念があるとのことなので、その意味でも、マクドナルドでは世界各地でローカライズされた部分が次々と生まれてくる可能性を多分に秘めていると言える)。

マクドナルドのメニューは世界中で一応規格化されているため(「一応」の意味は後で述べる)、どこで食べても大体想像と違わないものが出てくるし、特に途上国などでは衛生管理が確実に行き届いている、安心して口に運ぶことのできる数少ないレストランの一つでもある。このようなことから、誰しも海外に旅行に出かけたときに、一度はマクドナルドにお世話になった(あるいはどこで食べるか考える際の選択肢の一つに入れた)くらいの経験は持ち合わせているのではないだろうか。

マクドナルドは世界各地の至る所にあり、どこの国でも人の集まる広場や駅の近く、郊外の国道沿いなど、同じようなロケーションに同じようなデザインの店を構え、同じような営業スタイルで同じようなメニューを出している…、一見すれば。ただし、よく見てみると、それぞれの国にあるマクドナルドに、その国の文化や宗教、食習慣、風習、政治、経済等々の影響を受けている部分を見つけることができ、これがなかなか興味深い。

例えば世界中の川に架かる橋、網の目のように張り巡らされた各国の鉄道、世界各地の保存食、お茶やコーヒー等々、世界のどこにでもあるようなもので、旅の途上に楽しむ「比較文化」の対象になり得るものは、マクドナルド以外にも多数存在する。このような中で、何故マクドナルドを旅のテーマとしてあえて取り上げるか、その理由を以下にざっと述べてみたい。

地域的な広がりを持っている。
例えば日本中国、あるいは台湾の吉野家にあるメニューを比較して、文化の違いを探るということもできなくはない(実際国によってメニューや店のスタイルなどが多少異なっている)が、吉野家のようなケースだと、世界規模で見た場合、今一つ地域的な広がりに欠ける。その点、マクドナルドは世界中に事業展開しているので、より広い地域を対象にした比較が可能である。
一定程度規格化・標準化されている。
さすがにマクドナルドそのもののブランドイメージというものもあるため、それぞれの国のマクドナルドが独特の進化を遂げ、お互いの国で見分けがつかないくらい変容を遂げてしまっている、ということはまずない。ゴールデンアーチ型のMの字を使ったロゴや大きさや内容が規格化されたハンバーガー、赤と白の横縞のシャツに黄色のつなぎのようなズボンと靴という定番のいでたちで客を迎えてくれるマクドナルドのマスコット「ドナルド」など、世界のどこで利用しても、ある程度までは共通化された、いわば比較の上での「ものさし」となりうる部分を持ち備えている。
規格化された中での差異を楽しむことができる。
それら一定の枠がある中で、国や地域によっては、その土地の文化や習慣、制度などの影響で世界標準から少しはみ出してしまった部分を垣間見ることができ、その差異が言ってみれば比較や興味の対象となりうる。
日本では既に当たり前の存在。
1971(昭和46)年、銀座にマクドナルドの1号店が開店してから既に40年あまり、全国に4,000店近くの店を構えるまでに普及したマクドナルドは、もはや我々にとってみれば空気みたいに当たり前の存在となっている。個々の店舗を見れば、デザインなどは店ごとに異なった面も持ち合わせているが、我々の中には「マクドナルド」と聞いて誰もが思い浮かべるような、ある種ステレオタイプ的な一定のイメージが出来上がっており、少なくとも日本人の間でそういったイメージを共有することができる。そのような土壌がある中で、我々の持っているイメージとは多少異なる外国のマクドナルドとの違いを論じることで、日本人同士が旅の途上などで盛り上がる話題とすることができる。
海外でもマクドナルドを利用する日本人が多い。
海外である程度の滞在日数が経過すると、口慣れしていない現地の食事にうんざりしてくることもあるだろう。その点、マクドナルドなら日本にもあるという事で、味やメニューの差異、注文の方法などの多少の差異はあったとしても、そんなに外れている事も無く安心して利用でき、ちょっとした口直しという意味でもちょうど良い。そんな事情も手伝って、海外旅行に出かけた先でマクドナルドを利用する日本人旅行者もたくさんいる。つまり、海外での「マクドナルド異文化体験」を持つ日本人は意外と多いわけで、上記同様、このような人たちや、あるいは単に異文化に興味を持つ人たちとの間で、海外のマクドナルドが話ネタとして結構使えるのである(海外のマクドナルドでネット検索すると、日本語でも旅行好きの人たちのブログなどを中心に、結構いろいろなページが引っ掛かることからもそのことが伺える)。
根っこが一つである。
例えば橋や建築物などは、人類が生活に必要なアイテムとして、世界各地で同じような機能の構造物をそれぞれ独自に発達させてきたものと言えるだろう。それ故に地域が違ってしまえばそれぞれがもともと似て非なるものであるともいえるし、また、世界各地の家なり橋なりの源流をそれぞれたどっていったところで、究極的に一つの家や橋にたどり着くわけではない。その点、世界各地のマクドナルドは、その源流をたどっていけば、どれもが1940年にアメリカ合衆国カリフォルニア州サンバーナーディノでマクドナルド兄弟が始めた店舗にたどり着く。つまり、20世紀前半にアメリカで始まった一軒のハンバーガー屋が、その後世界各地でそれぞれの土地の文化や風習などに触れつつ、どのように変容し発展を遂げたのかを、世界各地を旅行する度ごとに、実際に自分の目で見て体験することができるのである。

「フィールドワーク」の方法[編集]

マクドナルドをテーマにした「フィールドワーク」といってもそれほど大それたことではない。海外に出かけてその国のマクドナルドを利用したとき、店内やメニューなどをつぶさに「観察」して、自国の、あるいはこれまで利用してきた他の国のマクドナルドと比べて、何か違いに気づくことはないかを確認するだけである。

特にその道のマニアでもなければ、何もマクドナルドのためだけに旅行に出かける必要などもちろんないし、訪れた国にマクドナルドがあるようなら、旅のついでにそのような「フィールドワーク」を楽しむ、くらいのノリでよい(むしろその方が気負わない分楽しい)。また、特にテーマをマクドナルドに絞る必要もないし、それぞれの国ごとに別のテーマを同時に追いかけることも、もちろんできる(例えば台湾に出かけた際、日本統治時代の台湾の名残を探しつつ、同時にマクドナルドを観察するなどといったことも可能である)。

トレイシートなどを収集する[編集]

マクドナルドのトレイに敷かれている紙には、その国のマクドナルドの特徴などがよく表れているものが多く、デザインや大きさ、形なども様々なバリエーションのものがある。また、そこにはいろいろな「情報」が印刷されており、その国や地域のマクドナルドを知る上でも第一級の資料のひとつといえる。これらのトレイシートを旅行中に収集しておき、後で他の国のものと比較するといろいろなことがわかって結構面白い。折りたためば大してかさばらないので、興味がある人は収集してみるとよい(余談だが、それらトレイシートの「ストックブック」として、市販のクリアファイルなどが使いやすい)。

なお、デジカメや画像の整理ソフトの性能がこれだけよくなった現在なら、トレイシートそのものを持ち帰らなくとも、旅先でそれらをデジカメの画像に収め、後でそれをデータベース化してコレクションとしておくという手も使える。

記録を残しておく[編集]

旅行中に訪れたマクドナルドのうちでも何か特徴的な点があったものは比較的覚えているものだが、それでも時と共に記憶が薄れていく。また、似たようなマクドナルドを数多く訪れているうち、記憶違いや混乱なども生じてくる。これらのことを避けるためにも、簡単なメモを作成し、旅行中に収集したトレイシートなどと一緒に保存しておくとよい(この記事への情報の書き込みにも、これらの「ちょっとしたメモ」が随分と役に立っている)。

記録の保存という意味では、レシートをトレイシートなどと一緒に保存してくのもよい。レシートには値段のほかに、店の住所や電話番号、利用した日付などが印字されており、あとでデータを整理するのにとても役に立つ(ただし、レシートの中には、感熱紙のように長期保存がきかないものもある。記録として長期保存をしたい場合には、レシートそのものをデジカメで撮影するなり、コピーを取るなりして保存しておくとよい)。

また、デジカメで店構えや外装、店内の様子などを撮影しておくのも、後で記憶を呼び起こすのに非常に役立つ。

比較の材料[編集]

ビックマック指数[編集]

マクドナルドは世界中にあり、ある程度まで規格化された商品を提供してきたため、いろいろな形で世界各地を比較する物差しとして使われることが多かった。例えば経済用語でビックマック指数と呼ばれるものがある。

ビッグマックは全世界のマクドナルドのメニューにあって、味や品質は全て同一の規格によって作られている。という事から、国によってビックマックの価値が変わることなく同じであり(同じであるという想定で)、「同じ価値の物を幾らで販売しているか」販売価格を比較をする事で物価の差を計ろうとする考え方である。

例えば、日本で売られているビックマックが¥200で売られていたとして、アメリカでは$2だとする。その時の為替相場が$1=¥110だとすると、アメリカでは¥220でビックマックが売られている事になり、日本よりも物価が高いという様に判断できる。また、為替相場が$1=¥100で取引されるのがずっと続いて安定している状態だとして、日本で¥200でビックマックが売られているとした時に、アメリカと日本でビックマックの価値が等しければ価格設定が$2.0となるはずである。しかし$2.2(日本円換算で¥220に相当)ならアメリカの方が物価高であると判断できる。

無論、ビックマック自体の原材料費や人件費などの原価が各国の経済状況よって異なる点や、生活水準の差でマクドナルドそのものが、ある国では高級レストラン的立ち位置であったり、逆に大衆食堂的立ち位置であったりとするので、単純にビックマックだけでその国の物価を計る事は出来ないが、一つの目安として着目してみるのも良いだろう。

ちなみに同じような考え方に、コカコーラマップやiPod指数といったものもあるが、考え方はビックマック指数と同じである。

ファシリティ(設備、装飾…)[編集]

一口に「マクドナルド」といっても、ハンバーガーなどの商品そのものやそれが売られている店舗、売っている店員、店内の装飾やそこで扱われている道具などなど、比較の視点としてちょっと考えただけでもいろいろな切り口がある。それ故にビッグマック指数以外にもさまざまな比較方法が考えられるし、また実際そのように多面的な視点から世界中にあるマクドナルドの比較が可能である。

旅の途上でそのような比較を楽しむため、以下の項目で世界中のマクドナルド比較のための材料について述べてみたい。

なお、この記事は旅を面白くするためのヒントを提供することを主な目的としており、記事の中で取り上げた一部の「仮説」などは、私見のレベルを出ないものも多々ある。ここで取り上げた内容については、特に学術的な意味での厳密な考察をしているわけではないので、その点は注意されたい。

また、記事で取り上げたデータの中には、一部古いものも含まれており、例えばそこで取り上げているマクドナルドの店舗について現在も営業しているか、あるいは記事で取り上げた商品などが現在も扱われているかといったような点や、商品の価格などについて、データのアップデートを行っているわけではないこともあらかじめお断りしておく。

商標・ロゴ[編集]

トレードマーク[編集]

アラビア語入りのトレードマーク(アンマン、1998年)
アテネオリンピックの頃使われた聖火入りロゴ(ポーランド

まず、マクドナルドでおなじみの、例のロゴについて取り上げてみたい。アーチ型の黄色いMの字が基本だが、これに様々な意匠をフィーチャリングする場合があり、これがなかなか面白い。一般的なのは、Mの字を横切るようにMcDonald'sのロゴをあしらったものだが、アラビア語圏のマクドナルドではこれがアラビア文字に代わっていることもあるし、中国語圏ではその横に「麦当労」(マクドナルドのこと)の文字が縦書き(ないし横書き)で加わることもある。

それ以外にも、例えばオーストラリアではかつてMの字の谷の部分の下に小さなオーストラリア大陸をあしらったマークが使われていたことがあるし(1992年頃)、また、マレーシアでは、Mの字の背後にマレーシアの国旗をあしらった、マクドナルド開業15周年と100店舗達成を祝うロゴが使われたことがある(1997年)。タイでも、Mの字の背景に地球のデザインとThailandの文字をあしらったロゴが使われていたことがあった(1997年頃)。

その他、グアテマラのピラミッドをあしらった、出店30周年記念のロゴ(2004年)、アテネオリンピックを記念した、聖火のデザインをフィーチャリングしたロゴ(ポーランド。2004年)、FIFAワールドカップを記念した、サッカーボール入りのロゴ(2006年。オランダ)など、世界各地には、本来のマクドナルドのロゴに様々な意匠がフィーチャリングされたロゴというものがいろいろと出回っている。

これらのロゴは、マクドナルドや出店している国の周年事業、オリンピックやワールドカップなどの世界的イベントなどに合わせて出されることが多いようである。特に世界規模のスポーツイベントの場合、マクドナルドが公式スポンサーとなることが多いため、イベントの開催時期に合わせてこのような変則的なロゴを目にする機会が多くなるようだ(上のアテネオリンピックとポーランドの例にあるように、開催地とロゴの使用地域は必ずしも関係がない)。

これらの変則的なロゴについては、よほどのマニアでもない限りそれを狙って収集しに行くという性質のものではなく、たまたま旅の途中に偶然目にするといった類のものだが、そのような「飾り付き」の商標を目にする機会も思いのほかある。そのようなロゴの入ったアイテムを収集するなり、デジカメに収めるなどして、あらためて比較してみると、これはこれでなかなか楽しいものである。


商標名の発音、略称[編集]

「McDonald's」の発音にも地域差が見られる。日本では「マクドナルド」と称されるが、略称を「マック」「マクド」とするなど、日本国内でも統一されていない。(ちなみに商品は「マック」と称する)日本の「マクドナルド」という呼称は英語の発音を無視し、3文字ずつ韻を踏むのが語呂がよいと感じたため。英語の発音をあえてカタカナで書くなら「ミクダーナルズ('sもきちんと読む)」に近い。

商標等の漢字圏での表記[編集]

日本では、日本語(カタカナ)と英語で表記している。また、中国などの漢字圏では、中国語の「麦当労」と英語の表記が一般的に使われている(シンガポール香港などの中国文化圏の国や地域だけでなく、華人の多いエリアでも同じような傾向がある)。北京語読みで(マイ・タン・ラオ)。ちなみに広東語読みでは(マッ・ドゥー・ノウ)と発音する。また、商品説明の中に「日式」という単語が入っていれば、その商品は和風の味わいがあると言うことになる。

キャッチコピー[編集]

スペイン語圏で主に使用されているロゴ(パナマシティ
各国語のキャッチフレーズが書かれたハンバーガーの包装紙(ルーマニア

マクドナルドでは、2003年から全世界で「i'm lovin' it」という統一されたキャッチコピーをトレードマークなどと併用して使用している。

多くの国ではこの英語のキャッチコピーをそのまま使用しているが、国や地域によってはそれをローカル言語に訳して使用している例もある。

例えば中南米のスペイン語圏の国々では、これをスペイン語に訳した、「me encanta」がよく使われている(右画像参照)。また、フィリピンでもゴールデンアーチの下にタガログ語で「i'm lovin' it」を意味する「love ko' to」と書かれたロゴが使われている。

以下に、それぞれの言語のキャッチコピーとそれが使われている国を列記した。なお、キャッチコピーを英語以外の言葉に訳す場合、英語の「i'm lovin' it」とは多少ニュアンスがずれてくるので、英語版のウィキペディアを参考に、それらも含めてまとめてみた。

"i'm lovin' it"(英語
最も基本的なキャッチコピーであり、当然のことながらこれを採用している国が一番多い。英語のキャッチコピーを採用している国々は以下のとおりである。
アイルランドアゼルバイジャンアメリカ合衆国アメリカ領サモアアラブ首長国連邦アンドライギリスイスラエルイタリアインドインドネシアエストニアオーストラリアオーストリアオマーンオランダカザフスタンカタールカナダ北マリアナ諸島キプロスギリシアグアムクウェート韓国グルジアクロアチアサモアサンマリノジブラルタルシンガポールスイススウェーデンスペインスリナムスリランカスロバキアスロベニアセルビアセント・マーチン島タイ台湾チェコ中国デンマークドミニカ共和国日本ニューカレドニアニュージーランドノルウェーパキスタンバハマバーレーンハンガリーフィジーフィンランドフランスブルガリアブルネイベラルーシベルギーポーランドポルトガル香港マカオマケドニアマレーシアマン島南アフリカメキシコモナコモーリシャスモルドバモロッコモンテネグロヨルダンラトビアリトアニアリヒテンシュタインルクセンブルクルーマニアレバノンロシア
"me encanta"(スペイン語
主に中南米のスペイン語圏の国々(と、それらの国々からの移民が多いアメリカ合衆国の一部のエリア)で使われているキャッチコピーで、英語のそれに次いで多くの国々で使われている。ただし、スペイン語の「本家」であるスペインではこのキャッチコピーは用いられておらず、代わりに英語のそれが使われている。英語のニュアンスは"I love it."といったところだそうだ。ドイツ語と異なりスペイン語には進行形もあるが、こちらについても英語のキャッチコピーの語感を生かすためか、進行形を使っていない。
スペイン語のキャッチコピーを用いているのは、アメリカ合衆国アルゼンチンウルグアイエクアドルエルサルバドルグアテマラコロンビアコスタリカチリニカラグアパナマパラグアイベネズエラペループエルトリコホンジュラスメキシコといった国々である。
"me encanta todo eso"(スペイン語
同じくスペイン語だが、こちらは主にチリ国内で使われているキャッチコピー(ただし上述のとおり、チリでも一般に中南米のスペイン語圏で広く使われている"me encanta"の方も用いており、これらが混在した形となっている)。こちらのキャッチコピーの方の英語のニュアンスは"I love all of that."といった感じになる。
"我就喜欢、我就喜歡"(中国語
中国語圏の国と、中華系移民の多い一部の国で使われているキャッチコピー。英語にすると"I just like (it)."といったニュアンスであり、「就」という文字を入れることで、「まさに(これが)好きなんだ」と強調した感じを出しているのが面白い。
このキャッチコピーが使われている国々(チャイナタウンなど、国内の一部のエリアで使われている場合も含む)は、アメリカ合衆国シンガポール台湾中国マレーシア である。
"أنا أحبه","اكيد بحبه"(アラビア語
クウェートエジプトで用いられているキャッチコピー。英語のニュアンスはそれぞれ"Of course I love it."、"I love it."になるそうだ。日本人旅行者がこれを目にしても、事情を知っているか、あるいはアラビア語がわかるごく一部の人を除き、普段我々が接しているマクドナルドのキャッチコピーのアラビア語版とはおそらく気づかないであろう。
"amo muito tudo isso"(ポルトガル語
ブラジル国内でのみ使われているキャッチコピー。英語では"I love all this a lot."といったニュアンスになるそうで、「どれくらい好きか」を英語のキャッチコピーよりさらに踏み込んで伝えるような恰好になっている。なお、「本家」のポルトガルでは上述のとおり英語のキャッチコピーを用いている。
"ich liebe es"(ドイツ語
ドイツ国内でのみ使われているキャッチコピー。ドイツ語には英語のような進行形(~ing形)がなく、進行形のニュアンスを出すためにはあえて「今」みたいな言葉を補うのだが、これだと英語のキャッチコピーが持つような語感が崩れてしまうので、おそらくあえて"I love it."のような現在形にすることで、英語の語感に近づけているのであろう。
"c'est tout ce que j'aime", "venez comme vous êtes"(フランス語
主にフランス国内で使われているキャッチコピー。ただしフランス国内でも英語のキャッチコピーが使われているのは上述のとおりであり、これらがどのように使い分けられているのかは不明。意味については、英語ではそれぞれ"It's everything that I love." "Come as you are."といった感じのニュアンスになるそうだ。特に2つめのものなどは、「普段着でどうぞ」くらいの意味であり、もともとの英語のキャッチコピーのニュアンスを生かすといったことにこだわらず、その国に受ける文句なり語呂のキャッチコピーを新たに造り出したものといえる。
なお、フランス語の場合、フランス語が比較的話されている地域でフランス語のキャッチコピーが使われるということがあまりない。これは、フランスの旧植民地国の多くがアフリカ諸国で、マクドナルドの出店が進んでいないことなども関係しているのであろう。
"c'est ça que j'm"(フランス語
同じくフランス語のキャッチコピーだが、こちらについてはカナダケベック州でのみ用いられている。英語のニュアンスは"This is what I love."といった感じになるそうだ。
"love ko 'to"(タガログ語
主にフィリピン国内で使われているキャッチコピー。英語では"I love this."というニュアンスになるそうだ。
"işte bunu seviyorum"(トルコ語
主にトルコ国内で使われているキャッチコピー。英語のニュアンスは"This is what I love."といった感じになるそうだ。ただし、いつもこれが使われているというわけでもないようで、トレイシートの中には特にこのようなキャッチコピーが書かれていないものもある。
"вот что я люблю"(ロシア語
主にロシア国内で使われているキャッチコピー。英語のニュアンスは"That is what I love."といった感じになるそうだ。
"я це люблю"(ウクライナ語
主にウクライナ国内で使われているキャッチコピー。英語のニュアンスは"I love this."といった感じになるそうだ。
"man tas patīk"(ラトビア語
主にラトビア国内で使われているキャッチコピー。英語のニュアンスは"I like it."といった感じになるそうだ。

このように、キャッチコピー一つ取っても結構いろいろなバリエーションがあることがおわかりいただけたのではないかと思う。興味のある方は、次に海外旅行に出かけた際、もしマクドナルドを利用する機会があれば、これらトレイシートなどに書かれているキャッチコピーにも注目してみるといいだろう。キャッチコピーそのもののバリエーションだけでなく、デザインや配置などもいろいろと個性的なものが多いので、これだけ追いかけても結構楽しめる。

店舗[編集]

一般に、マクドナルドの店舗といえばビルの一画に構えた店先に掲げられた、赤地に黄色でM型のアーチが描かれた大型の看板、あるいは郊外型の独立店であれば、ややコロニアル調のテイストが入ったモダンなデザインの建物と、ポールの上に大きな「M」の字型のゴールデンアーチが乗ったモニュメントのような飾りといったようなものが、ある種ステレオタイプ的な光景として思い浮かぶかと思うが(もっとも昨今ではそのようなステレオタイプ的なデザインのマクドナルドの店舗も、いくつかの系統に分かれるようで、マクドナルドを語る上で主要な要素とも言える赤と黄の組み合わせのデザインを必ずしも用いないケースも増えている。それは単にデザイン上の理由であることもあるだろうし、またその街の制約によってそのようなスタイルをとっている場合もある。そのあたりの詳細については以下の「デザインや色づかい」の項目で述べる)、世界のマクドナルドの中には、他にもいろいろな形態の店舗がある。

郊外型店舗(マスカット

また、一見典型的なマクドナルドと思われるような店舗のデザインにも、よく見るとそれぞれの国や文化圏のテイストをさりげなくちりばめているような店に出会うことも多い(ちなみに、右画像はオマーンマスカット郊外のマクドナルドの店舗。一見どこにでも見られる店の造りだが、よく見ると右側の看板がアラビア語だったり、あるいは窓や入口のあたりにイスラム調の装飾が施されているのがおわかりいただけるかと思う(見づらい場合は画像をクリックして拡大してみるとよくわかる))。

世界の国々には、実に個性的なデザインの店舗がそれこそ「無数に」存在しており、単にそれだけで独立したテーマとして扱えるくらい、興味深い話題である。個々人の旅行者が旅先で触れることができるのは、それら無数にある個性的な店舗の中のほんの一握りであろうし、限られたスペースの中で、その多くを語ることもできないが、その一端くらいならある程度語ることもできるだろうし、旅行者同士が世界の街角で見つけたユニークな店舗の情報を持ち合って比較するのもまた面白い試みであろう。

そんな趣旨で、以下に特徴的な店舗をいくつか取り上げてみたい。


ロケーション[編集]

かつて世界最北端のマクドナルドとして知られていた、フィンランドロヴァニエミの店舗

まず、店舗の位置そのものが特徴的な所から紹介しょう。世界最北端、最南端、最高地点及び最低地点にあるマクドナルドはそれぞれどこかというトピックである。

意外と簡単に特定できそうだが、実はこの話題、思った以上に厄介である。というのも、ある時点でそれぞれそのような地位にあったマクドナルドが、ずっとそのステータスを保ち続けるという保証がないからだ。

あるときそれまで最南端だったマクドナルドのさらに南に新しい店舗ができるようなこともありうるし、また、それまで世界最南端だったはずのマクドナルドが撤退してしまい、次点だった店が「昇格」するようなケースも現実にある。そのようにしてステータスが変わったからといってそれぞれの店がいちいちその旨の宣伝をするわけでもないようだし、また、ネット上にはそれらの店を訪れた人の手による新旧の情報が入り乱れて残っていることもある。その結果「最も~なマクドナルド」が実際どこなのかよくわからなくなってしまうようなケースも出てくるのだ。

まず世界最北端のマクドナルドだが、これについては比較的簡単に特定できる。世界最北端のマクドナルドは、ロシアムルマンスクにある。ムルマンスクは北極圏内の北緯68度58分に位置しており、北極圏内で最大の都市としても知られている。なお、ムルマンスクの店舗は2013年6月にオープンした比較的新しい店舗で、この店が開店するまではフィンランドロヴァニエミにある店舗が世界最北端の店舗として知られていた。この店舗は北緯66度33分、北極圏までわずか8kmの位置にあり、店内に世界最北端の店であることが謳われているポスターが掲載されていたそうだ。(詳細はロヴァニエミの記事を参照)。

次に世界最南端のマクドナルドだが、これは現在のところニュージーランド南島の最南端にある町、インバーカーギルにある。インバーカーギルの緯度は南緯46度23分。かつてはそれよりさらに南、南緯53度10分にあるチリプンタアレナスにあるマクドナルドが世界最南端の店だったが、こちらについては2009年頃撤退してしまった(世界最南端のマクドナルドを求めて遠路はるばる最果ての地まで訪ねて行ってみたら、既にマクドナルドは閉店して別の店舗に入れ替わっていた、という悲哀を味わった旅行者もいたようだ)。

次に世界最高地点にあるマクドナルドだが、これについては正直よくわからない。かつては標高3,600m弱の所に位置するボリビアの首都ラパスに店舗があり、ここが文句なしで世界最高地点のマクドナルドであるとされていたようだが、こちらについても、マクドナルドは2002年末頃にボリビアから撤退してしまっている。

ネットで調べてみると、スイスのマッターホルン山麓のツェルマットという町にあるマクドナルドを現在世界最高地点にあるマクドナルドとしているものがあるが、これはすぐに間違いとわかる。何故ならツェルマットの標高はたかだか1,600mあまり、例えばマクドナルドがあることが容易に確認できるメキシコシティ(標高約2,200m)に比べても街自体が既に600mほど低いところに位置しているからだ。

結局のところ現時点で世界最高地点にあるマクドナルドがどこか、正確には特定できなかったが、メキシコシティペルーアレキパ(標高2,335m)、エクアドルキト(同2,850m)…、とマクドナルドがある比較的大きな街で高地にあるものをたぐっていくうち、候補となりそうな店舗を1つ見つけた。かつてインカ帝国の首都が置かれたこともあるペルーの古都、クスコ中心部のアルマス広場にある店がそれである(こちらについては2011年時点で営業していることがネット上のブログなど、複数のデータからわかる)。

クスコの標高は約3,400m、ラパスには200mほど及ばないが、それでも富士山9合目とさほど変わらないくらいの高さに位置するマクドナルドということになる(余談だが、これくらいの高度になると、大部分の旅行者に頭痛や吐き気、食欲減退といった高山病の症状が現れる(経験したことがある人ならわかると思うが、結構きつい)。高山病の症状に苛まれながら食べるマクドナルドの味というのは、一体どのようなものなのだろうか?)。

今後またラパスにマクドナルドが返り咲くとか、あるいはチベットラサ(標高3,650m)あたりにマクドナルドが進出する…、というような話でもない限り、当面はこのあたりの高さに位置するマクドナルドの店舗が、地理的に見て世界「トップクラス」のマクドナルド、ということになるのだろう。

最後に世界最低の地点にあるマクドナルドだが、こちらについては、世界最北端のマクドナルド同様、比較的容易に特定できる。世界で最も低い所に位置する町で、現在マクドナルドが1軒営業しているのだ。その町とはイスラエル死海地方にあるエン・ボケック。ちなみにマクドナルドはこの町のショッピングセンター内にある。死海の浮遊体験などが楽しめるリゾート地として有名なこの町の標高は、何とマイナス417mだそうだ。

中世の城門と隣り合わせ(タリン

次に、周りの風景や建造物をうまく取り入れたロケーション設定の店舗について触れてみたい。世界のマクドナルドの中には、単にビルの一角や国道沿いの郊外などに立地するだけでなく、もともと昔からそこにあった他の建造物や遺跡などを巧みに取り入れた立地の店舗が存在する。

例えばエストニアタリンにあるマクドナルドは、中世に造られた石造りの重厚な城門が現代的な造りの店舗と隣り合わせになっている。店の造り自体はどこにでもあるようなごく普通のタイプだが、そのすぐ隣に中世に造られたままの城門がそびえており、あたかも中世と現代が混在したような、独特の雰囲気を醸し出している。ちなみにタリンの旧市街は、その城門も含め、街全体が世界遺産に登録されているので、この店舗は世界遺産の中で営業しているマクドナルドということにもなる(何とも贅沢な話だ)。

また、 ヨルダンアンマン の中心部、フセインモスクの近くにあるにあるマクドナルドも、市内の遺跡公園の中に立地しており、古代遺跡の上を公園としてきれいに整地した場所に店舗が建っている。このため、マクドナルドの店舗そのものは世界中のどこにでもありがちな、ステレオタイプ的なデザインのものだが、周りには神殿跡のような建造物や円柱のような遺構がそのまま残されており、店舗の中からそれらの遺跡を眺めながら食事をすることができる。


特徴的な店舗[編集]

この古民家と中庭が店舗(アンティグア

マクドナルドの店舗の中には、歴史的な建造物をそのままマクドナルドの店舗として活用したり、あるいは建物自体のデザインに特徴やメッセージ性を持たせたりするケースもある。

例えばグアテマラアンティグアには、100年ほど前の古民家をそのままマクドナルドに改装した店舗がある。カウンターなどは従来のマクドナルドのものだが、内装などはできるだけ元の建物をそのまま生かすような配慮がなされており、全体に落ち着いた、重厚な雰囲気を醸し出している。

そのままでは画像が小さくやや見えづらいので、興味のある方は画像をクリックして拡大して見ていただきたい。画面の真ん中に写っている黄色いかたまりみたいなものがベンチで「くつろぐ」ドナルドで、店舗内の広々とした中庭(パティオ)の真ん中あたりに置かれている。この庭も含めて、全てが店舗である(ドライブスルーなどを除いて、日本ではこのように贅沢な敷地の使い方をした店舗はちょっとないのではないか)。

また、拡大した画面を下にスクロールすると、店の様子を写した画像があるので参照されたい。「マクドナルド」と我々が聞いて普通思い浮かべるような店内とは全く異なる雰囲気であることがある程度伝わるかと思う。この店では、画像に写っているような、天井から吊るされたシャンデリアを眺めつつ、古民家の重厚な雰囲気に包まれながらハンバーガーを楽しむことももちろんできるし、また、先ほど出てきた中庭で外の風に吹かれながら食事をすることも可能である。

さらに、ブダペスト西駅にあるマクドナルドも、古くからある建造物を利用したマクドナルドとして特筆に値する店舗である。19世紀末に造られた駅舎にもともとあった食堂をマクドナルドの店舗に転用したものだそうで、古びたレンガ造りでタイル貼りの外観とクラシックな内装がとてもシックで、高級感を醸し出している。「マクドナルド」と聞いて我々が想起するような店舗とはおよそかけはなれた雰囲気で、「世界一美しいマクドナルド」などと形容されることもある(店の外観や店内の雰囲気など、詳細についてはブダペストのページを参照していただきたい。ただし、内装に付いて言うと、以前は旧食堂のシャンデリアのような照明をそのまま用いていたが、その後改装されたらしく、壁などは塗り替えられて照明もシェード型のライトに変更されている。このため、内装については天井部の装飾など一部のデザインを除き、特に時代を感じさせるような感じにはなっていない)。

リベルダージにある日本風建築のマクドナルド(サンパウロ

その地域の特色や歴史、テーマ性などを建物のデザインに込めた例としては、ブラジルサンパウロの日本人街、「リベルダージ」にあるマクドナルドが挙げられる。ここの店舗は瓦をあしらった純和風のデザインになっており、看板も日本語のそれが架かっている(よく見ると、カタカナで書かれた文字の大きさが多少不揃いだったりゆがんでいたりしており、看板自体が現地で作られたものであろうことがわかる)。

おそらく何の予備知識もなく単にこの写真を見れば、日本の京都鎌倉辺りで撮ったものと誰もが思うであろう。デザイン的にここまで和風の造りにこだわったマクドナルドというのは、逆に日本国内ではほとんどないのではなかろうか。

店内には日系移民の子孫と思われる人たちも多数おり、一見すると日本のマクドナルドの店内とさほど変わらない光景に映るが、もちろん店内で飛び交っているのはポルトガル語で、日系移民の子孫たちが周りで話すポルトガル語を聞きながら、地球の裏側にある純和風の店舗でハンバーガーを頬張っていること自体にある種の違和感というか、不思議な感覚を覚える。

リベルダージ自体が(おそらくは)日本の裏側で日本を想う日系移民の人々が半ば自然発生的に造り上げてきた街で、街の入口に鳥居が立っていたり、ぼんぼり風の街灯が道にずらっと並んでいたりと、街全体が故国を偲んでどこか日本以上に日本的な趣を滲み出させたような雰囲気を持ち合わせているため、マクドナルドもそのような街の雰囲気を受けてこのような和風のデザインになったのではないかと思われる。

さらに、世界のマクドナルドの中には、店舗の内装にやたらと凝った店というものもある。

まるで赤レンガの倉庫のような造り(クラクフ

ポーランドクラクフの旧市街には、地階がまるで洞窟をくり抜いたような造りのマクドナルドがある。もともと地下に造られたワインセラーのような建物をマクドナルドに転用したもので、当初落ち着いた雰囲気の旧市街にマクドナルドが出店することを反対した、市当局との交渉の中でこのような店舗が生まれたとのことだ。

地下に降りていく階段のあたりは赤レンガ造りになっており、レンガ造りの倉庫を彷彿させる。照明も抑え目にしてあり、まるで倉庫か洞窟の中で食事をしているのではないかと錯覚するような不思議な空間になっている。

この店舗はポーランド国内のマクドナルドの中でも有数の人気店とのことである。食事をせずに店舗の内装だけを見に訪れる人も多いそうで、クラクフの隠れた観光スポットにもなっている。

以上、世界のマクドナルドの中で特徴的な店舗をいくつか取り上げて紹介した。世界中に散らばる個性的な店舗について、その詳細をこのコーナーでまとめて取り上げることはできないので、ページ下段にある「世界のマクドナルド店舗情報」の項目で、ウィキトラベルの記事の中で現地のマクドナルドの情報を載せてあるページへのリンクを一括して挙げてある。ここで取り上げてあるものも含め、所在地等各店舗の詳細な情報についてはそちらのリンクをクリックの上、各ページの該当箇所を参照されたい。


店舗・看板などのデザインや色づかい[編集]

マクドナルドと言えば、一般に赤地に黄色のデザインが定番だが、地域によってはこのような色使い自体が規制の対象となり、使用できない場合がある。例えばフランスパリでは赤字に黄色の広告が禁止されており、これとは異なる茶系統の落ち着いた色調の看板になっている。

これらの店の中には、街の色調と調和しすぎていて、かえってマクドナルドであることを識別しづらいケースもある(そのような地域との妥協の産物の例として、「特徴的な店舗」の項目を参照)。

なお、国内でも、京都市などが同様に景観保護条例で赤と黄の看板を規制しているため、そこで使われているマクドナルドの看板も、やはり背景が茶色になっているそうだ。

その他興味深い例として、イスラエルにあるカシュルートに則ったマクドナルドのケースがある。カシュルートとは、ユダヤ教の戒律で定められた食い合わせなどの食事制限のことだが、そのようなユダヤ教の戒律に則った店舗とそうでない店舗を見分けるため、カシュルートに則ったマクドナルドの店舗では、看板も普段見慣れた赤地に黄色ではなく、青地に黄色のMが描かれた仕様になっており、Mの部分にヘブライ語と英語で大きく「カシュルート」という文字が添えられたロゴを使用しているものを使用しているそうだ。このように、周りの景観といったような要素以外にも、例えば宗教などがマクドナルドのデザインに制約を加える場合があるのだ。

スタッフ[編集]

店舗だけでなく、そこで働いているスタッフの制服や民族構成、商習慣なども比較の対象としては興味深い。次にそれらについて触れてみたい。

制服[編集]

マレーシアのマクドナルドの制服

イスラム教圏、ヒンドゥー教圏などのマクドナルドで、現地の宗教上の戒律を取り込む形で独特に造られた制服を目にすることがある。一例として挙げられるのが、マレーシアのマクドナルドで採用されているもので、イスラム教徒の女性店員用に、従来のようなキャップやサンバイザーではなくベールをあしらった制服が採用されている(個人が銘々勝手にいろいろな柄のベールを身に着けているのではなく、ちゃんと黒で統一されている。以前はマクドナルドのロゴが入った、裾を外に出す、日本の尼さんのようなタイプの被り方だったように記憶しているが、機動性と宗教上の戒律の方を両立させるためか、現在では裾をシャツにしまい込むスタイルを採用しているようだ)。


また、インドのマクドナルドでも、シク教徒の男性店員用に、黒いタイツ状の帽子(ターバンの一種)が制服の一部として使われている。


民族構成[編集]

多民族国家の国では、マクドナルドで働いているスタッフの人種も当然のことながら多様で、肌や目、髪の色などもそれぞれ異なっているスタッフたちが入り混じって働いている光景を目にする(日本のように同じような風貌のスタッフだけでカウンターの向こうが占められているというケースの方がむしろ少数派で、世界レベルで見れば、いろいろな人種が入り混じって働いている方が多い)。

ただし、その国に住んでいるすべての人種から構成されているというわけでもなく、国によってはマクドナルドのスタッフの民族構成にも多少のクセがあるように思われる。

例えばレバノンヨルダンのマクドナルドでは、女性の店員でも日本など非イスラム圏の店舗でよく見かけるような、キャップを被った制服姿が目立ち、マレーシアのように、ベールを身に着けた女性の店員をあまり目にすることがない。きちんと検証したわけではないが、これなどは、それらの国では他の国に比べておそらくイスラム教徒の女性の社会進出があまり進んでおらず、マクドナルドにおいてもキリスト教徒など他の宗教の店員の構成比が多くなるためではないかと思われる。

商習慣[編集]

マクドナルドは、調理方法から接客態度まで、事細かにマニュアル化されていることで知られており、世界中どこでも基本的には同じような対応を受ける。ただ、これら店員の接客方法にも気を付けて見ていると、ときどき他の国や地域とは異なるしぐさをちらりと垣間見せることがある。そのようなジェスチャー国ごとに比べてみても、微妙な差異が発見できて興味深い。

例えばロシアなど一部の国では、客にレシートを渡すとき、わざわざレシートに手で切れ目を入れて渡してくれることがある。これなどは、もともとその国なり地域で代済みのレシートに切れ目を入れる商習慣があるため、そこで雇われた現地の店員も、客にレシートを渡す際、ほぼ無意識にそのような行為を行っているからではないかと思われる(このような行為は、もちろんマクドナルドのマニュアルには載っていないであろう。もしマニュアルに載っているとすれば、日本でもこのような光景を広く目にするはずだから)。

また、イスタンブールのマクドナルドでは、ストローを各自でストロー入れから取るのではなく、ストローが必要な品物を注文した客に1本ずつ手渡しで渡していたのを見たことがある。カウンターなどに置いておくと、必要以上に持っていかれてしまうから、という理由かもしれないが、これなどもマクドナルドにしては面白い光景に思えた。

サービス[編集]

日本では「スマイル¥0」がメニューに書かれている。しかしアメリカなどでは一人の注文が終わると"Next!"というように事務的な店も存在するようだ。

営業形態[編集]

宗教や文化、その国の政情などさまざまな要因の影響を受ける形で、世界各地で営業しているマクドナルドの店舗の営業形態にも国によって多少の差異が生じることがある。

メニューの言語[編集]

現地語と英語で書いてあるのが一般的だが、あまり外国人が利用しないためか、国によってはその国の公用語でしかメニューを掲示していないケースもある(旧共産圏の国などにそのような例がある)。なお、東京都豊島区巣鴨にある店舗のように、高齢者が多く立ち寄る店でポテトを「おいも」というように高齢者に馴染みのある言葉に変えるなど、同一の国の中にある店舗の中でメニューの表現を変えるようなケースもある。

ラマダン[編集]

イスラム教圏に出店しているマクドナルドでの、ラマダン(断食月)時の営業形態は実に特徴的だ。例えばドバイの街中にあるマクドナルドでは、ラマダンの期間中、街中の他のレストランと同様に、日中は店内で食事ができないように椅子をテーブルの上に挙げて店内の照明を落としてしまう。ただ、営業をしていないわけではなく、キッチンの一部を使用してテイクアウトの注文には応じている。

ただし、一口に「イスラム教圏」といっても、異教徒の占める割合は国よって異なるし、同じ国の中でも、例えば空港のように多数の外国人が利用するような施設が多数営業しているような場合もある。確認したわけではないが、すべてのイスラム教圏のマクドナルドで、ラマダンの期間中このような半ば店を閉めた形での営業がされているわけではおそらくないだろう。

殺生戒[編集]

イスラム教ほど厳格でかつ普遍的なものではないと思うが、マクドナルドの営業に仏教の戒律がひょっこり顔を出すこともある。

例えば毎年お釈迦様の誕生日とされる旧暦の4月8日から7日間ほど、香港の長洲島では長洲饅頭祭(長洲太平清醮)が開催されるが、お釈迦様の誕生日に合わせて殺生が控えられるため、祭開催期間中の特定の3日間、島内では一切の肉食が禁止され、家庭内はもちろんのこと、島内のレストランも一斉にベジタリアンメニューに切り替わる。島内にあるマクドナルドももちろん例外ではなく、この時期は全てベジタリアンメニューのみの提供となるため、店内にそのことを知らせる注意書きが貼られる

デリバリー[編集]

世界のマクドナルドの中には、商品の配達に力を入れている国もある(アジアの国で見ると、比較的早い時期からデリバリーが普及していた国として韓国シンガポールなどを挙げることができる。なお、日本でもここ数年でデリバリーが急速に普及してきている(※))。そのような国では、マクドナルドの店頭にマック仕様のカラフルなバイクが並んでいたり、背中にデリバリー専用ダイヤルが描かれたバックパックを背負った配達員が、交差点で信号待ちをしていたりといった光景を見ることができる。

(※)日本国内でデリバリーを扱っている店舗についてはこちらを参照。

セルフサービスの浸透度[編集]

マクドナルドは基本的にセルフサービスで、カウンターで注文した品物を各自がトレイで席まで運び、食べ終わった後のゴミについてはやはり各自が「Thank You」と書かれた店内にあるごみ箱(「Thank You」が現地語に代わっていることもある)まで運んで片づける仕組みとなっている。これ自体は世界共通のルールだが、では実際にどの程度それが実行されているのだろうか。品物を各自が席まで運ぶことはどこも一応同じとしても、片付けるほうはどうだろう?

日本人は比較的几帳面なので、このように各自で後片付けをする光景がごく当たり前と思っているが、世界的に見れば、実はこちらの方が少数派である。他の国では、各自が食べ散らかしたままゴミを放置してさっさと店を出てしまうことの方がむしろ普通で、片付けは店員が頃合いを見てまとめて行っている(混んでいるときで片付けが進んでいないときは、他人が残したゴミやトレイを傍らによけてテーブルを利用していたりする)。

客層[編集]

カウンターで注文する民族衣装姿の客(マスカット

一般に、途上国ではマクドナルドの商品は一般の人々が簡単に利用できないくらいの値段設定になっており、クラスとしては高級レストランに位置づけられるため、上流階級に属する人がマクドナルドを利用するケースが多い。このため、店内で食事をしている人々も、比較的身なりのきちんとした人が圧倒的に多い(決して笑える話ではない(かもしれない)が、途上国のマクドナルドなどは、むしろ、現地の利用者よりも外国人旅行客の方がよっぽどみすぼらしい身なりをしていることがままある)。

店内に入ったら、利用客のコスチュームにも注目してみよう。日本では一時歌舞伎役者の一団が紋付袴を着てマック・カフェを利用するCMが流れていたが、実際の日本国内では、そのような着物を着た集団をマクドナルドの店内で目にする機会は、成人の日とか特別な日を除けば滅多にないであろう(だからこそ人目を引くCMとして成立しているのだ)。しかし、逆にイスラム教国あたりだと、そのような民族衣装の集団をマクドナルドの店内で見かけること自体はごくごく日常茶飯の光景である。

実際、インドやイスラム教国などのマクドナルドなどでは、右の画像のように、その国の民族衣装を纏った人がカウンターで注文している姿をよく見かける。世界のどこにでもあるような現代風のカウンターで民族衣装姿の住民がハンバーガーなどを注文しているあたり、何だか"East meets West"みたいな風景に思えて、とても奇妙…、というか興味深い(もっともあちらにしてみれば、我々の方こそ奇妙な異邦人なのだろうが)。

また、変わったところでは、準戦時体制の国のマクドナルドの例がある。かつてイスラエルを旅行した際、仕事を終えたかあるいは休憩中の民兵が自動小銃を無造作に床に置いてハンバーガーを頬張っている光景に出くわしたことがある。日本では絶対にお目にかかれない光景であり、何とも印象的だった。

もっとも、実際 ベイルートでは、2003年にマクドナルドのトレイに仕掛けられたダイナマイトが爆発して、数人が負傷するといったような事件が発生したりしている(2003年4月8日付朝日新聞)から、中東のようにきな臭い地域のマクドナルドでは、このような利用客がいてくれた方がまだ安心(?)なのかもしれない。

分煙・禁煙[編集]

入口に置かれた灰皿(ルーマニア
店内の喫煙室(マレーシア

世界的に見ても、マクドナルドは店内の分煙、あるいは禁煙がしっかりと守られたレストランの一つである。これは、ヨーロッパ諸国など日本に比べて喫煙率が高い国や地域のマクドナルドでも同様で、他と完全に分離された禁煙コーナーを設けてそこ以外に煙が行かないようにしたり、あるいは店内そのものを禁煙にしたりするケースがほとんどである(この点、むしろ日本の店舗の方が時に「喫煙コーナー」からタバコの煙が流れてくることもあったりして、この点については諸外国のマックに比べてやや大らか、というかルーズな気がする)。

ヨーロッパのように、街中で男女を問わずタバコを吸っている人を良く見かけるようなところであれば、マクドナルド利用者の中でも喫煙の需要は当然高いと思われるが、店舗側がタバコ飲みを半ば肩の狭い思いをするくらいに軽く扱っている(ようにも見える)のは何故だろうか?

これについても、もちろん正確な理由はわからないが、一つには、喫煙の国際的なマナーとして「食前及び食事中は禁煙」といったことが定着していることが挙げられるのではないかと思う。タバコは食後コーヒーなどと一緒に楽しんでもいいことになっているが、その場合でも別室で、というのが基本だそうだから、マクドナルドについてもそのような国際的なマナーに従って分煙、あるいは禁煙を進めているのかもしれない(なお、例えばフランスなどのように、カフェやレストランでの喫煙が法律で禁止されており、違反者には罰金が科されるといった国であれば、マクドナルドの店舗内も当然禁煙となるわけだ)。

また、詳細は「遊具設備」の項目に譲るが、マクドナルドの利用者の中に小さい子供を連れた家族連れが結構いるからという点も理由の一つに挙げられるかもしれない。このような環境であれば、食事中に大人たちにタバコをプカプカ吸われると、子供が迷惑するからという理由でタバコを控えるということも当然ありうるだろうし、また、そのような声の方が強ければ、当然店内も完全分煙ないし禁煙の方に動くわけだ。

その他、マックで働くスタッフの健康管理(四六時中タバコの副流煙を吸わされたらそれこそたまったものではないから)とか、あるいはアメリカなどのように個々人の権利意識が発達した国では、タバコの煙が嫌いな人が副流煙に悩まされることなく食事を楽しめるようなスペースを設けておかないと、食事中に不快な思いをしたということで訴訟沙汰になりかねないから(※)、などといったこともひょっとすると店内を禁煙あるいは完全分煙にしている理由なのかもしれない。

※実際、アメリカでは自分がこぼれたコーヒーでやけどを負ったのは、熱すぎるコーヒーを出したマクドナルドに過失があるからだ、という内容の訴訟が起こされ、マクドナルド側が敗訴して後に多額の和解金を原告側に支払った、という事件も起きている(事件の詳細については日本語版ウィキペディアなどを参照。ちなみに、この事件をきっかけにマクドナルドのコーヒーカップに「熱湯注意」みたいな注意書きが添えられるといった顛末が付いた)。

以上、マクドナルドにおける分煙・禁煙についていろいろと考えを巡らして考えてみた。繰り返しになるが、「本当のところどうなのか?」についてはよくわからない。とりあえずは「マクドナルドという窓を通して世界を眺めた旅行者が、勝手気ままに楽しんでいる想像」ということにさせていただきたいが、このように、地球上のどこかの街のマクドナルドでハンバーガーでも頬張りつつ、店の中をきょろきょろ見渡しながら、なぜこのようなスタイルが世界中のマクドナルドで取り入れられているのか、つらつらと考えを巡らしてみるというのも結構面白いものだ。

治安対策[編集]

治安があまりよくない地域で営業しているマクドナルドでは、治安対策にも腐心せざるをえないといったケースを抱えることもある。

例えば以前ロサンゼルスのダウンタウン近くにあるマクドナルドを訪れたときのこと、トイレを使おうとすると、ドアノブの所にある投入口にコインを投入しないとドアが開かない仕組みになっているのに気付いた。

マクドナルドのトイレが有料なのは珍しいので不思議に思ったが、これは、放っておくと店に浮浪者が入り込み、トイレで体を拭きはじめたりするのを防止するためで、いわば浮浪者の侵入防止策として、店がトイレをわざわざ有料にしていたのだ。

何故それがわかったかといえば、実際入ったトイレの洗面台の前で、ヒスパニック系と思しき浮浪者が洗面所で熱心に体を拭いていたから(笑えない話だ)。店の涙ぐましい対策にもかかわらず、(敵もさる者というか)一人がコインを投じて中に入った後、仲間のために内側からドアを開けてあげるといった行為を繰り返して代わる代わるトイレで「身づくろい」をしていたらしい。

ライバル企業の存在[編集]

ハンバーガーそのものはアメリカの国民食のようなもので、当然世界各地にライバルができることはある。少なくとも日本には、現在ごく普通にある会社ならロッテリア(韓国系経営者の菓子会社ロッテの系列)、モスバーガー、ラッキーピエロ(函館市)といった企業のほか、米軍関係の町などにご当地ハンバーガーが存在する。特に名物とされるのは佐世保市の佐世保バーガーである。

このような土地でマクドナルドはどういう存在?という疑問が生じる。簡単な答えしかない。「共存共栄」である。そのためには「方向性が違う」という部分である。

下関市福岡市釜山には航路が存在するので、相互の移動も多い。韓国に行って本場韓国のロッテリアを試す人は当然いる。ロッテは日本でプロ野球を持っているので、その影響で球場や周辺(千葉市)では重要な存在である。

モスバーガーは喫茶店のイメージなので、使い捨て容器を避ける。

ラッキーピエロはハンバーガー店なのに他のメニューが多い、函館市以外に出店はしない。

佐世保駅から中心街の「さるくシティ4○3」に行く通りには、マクドナルドの看板は大量にあるが、佐世保バーガーは「手作り」を売りにし、大部分は個人経営、作り置きはしないという部分があり、市街地にマクドナルドはあれど「まったく違う世界」という答えしかない。

下関駅前のシーモールは、土地柄なのか、ロッテリアが大規模に入居している。マクドナルドは旧市街地にはない。下関市で一番下関駅に近いのは「東駅」という地域。郊外の駅?という感じだろうが、かつて路面電車の車庫があったがゆえの地名で、駅や中心街とはまったくちがうところ。

沖縄県はアメリカ統治が長く、マクドナルド以前からのハンバーガー全盛の地域。Jef、A&Wが有名。Jefのゴーヤーを使ったメニュー、A&Wのルートビアといったものは沖縄の独自文化のようになっている。

宗教とマクドナルド[編集]

マクドナルドが世界の国々へ出店しようとする際、いろいろな形でその土地の文化的な制約を受けることがあることは上述のとおりであるが、その最たるものの一つに宗教上の制約を挙げることができる。宗教の多くが長い歴史の中でさまざまな戒律を生み出し、それが各国の制度や文化、あるいはそこに住む人々の生活習慣に深く根ざして多大な影響を与えており、マクドナルドもそれを無視しては営業が成り立たない場合もあるからだ。

そのような宗教上の制約が、各国で営業するマクドナルドにちょっとした差異をもたらすこともあるわけで、その考察も世界のマクドナルドを語る上で興味深い素材である。以下に各宗教上の戒律や制約がマクドナルドの営業にもたらす影響をまとめてみた。なお、宗教上の制約はいろいろな面に表れる関係で、ここでそれをまとめて、一つ一つを詳細に取り上げることはできない。ここでは宗教がマクドナルドの営業に与える影響をざっと概括的に眺め、それぞれのトピックについての詳細は各項目に譲るので、そちらを参照されたい。

キリスト教[編集]

マクドナルド自体、元々キリスト教が主要な宗教となっているアメリカ合衆国で生まれ、その文化と調和する形で発展したためか定かではないが、キリスト教がマクドナルドに与える影響というのは他の宗教に比べればそれほど強くないように思われる。ただし、キリスト教にも四旬節(Lent、カーニバルの後に来る節制期間)など、季節によって肉食など食事の制限を求める慣習があるので、それらの慣習が強く残っている場所では何らかの制約があるかもしれない。

余談だが、キリスト教がマクドナルドの営業に与えた影響で興味深いエピソードを一つ上げるとすれば、それは「フィレオフィッシュ」の開発であろう。このメニュー自体、もともと1960年代にオハイオ州シンシナティで、金曜日に肉食を控える習慣を貫いていた敬虔なカトリック教徒のために、ビーフバーガーの代替メニューとして開発されたといった逸話があるからだ。

ユダヤ教[編集]

ユダヤ教には、食べ合わせの禁忌から来るメニュー上の制約がある。ユダヤ教の戒律を厳格に適用すると、そもそもチーズバーガーというメニュー自体が成立しなくなるし、また、ハンバーガーとカフェオレを一緒に販売できないなどの制約が生じてくる(ただし実際は、イスラエル国内のマクドナルドでもユダヤ教の戒律を厳格に守っている店舗と、そうでない店舗が混在しているようだ)。

なお、ユダヤ教の戒律は、マクドナルド店内の商品メニューだけではなく、店舗の看板の色や店で使われている包装紙などのデザインにまで影響を与えることがある(以上の点について、詳細は「カシュルート」の項目を参照。以下この節の各項目について同じ)。

イスラム教[編集]

マクドナルドの営業に一番影響を与えるのがおそらくイスラム教であろう。営業時間で見れば、ラマダンの時期はイスラム教徒が断食を行う日の出から日没にかけて国や場所により日中の営業が大幅に制約されるし(⇒「ラマダン」)、女性店員の制服にもベール着用が求められる場合があるし(⇒「制服」)、そもそも女性の社会進出に対してあまり積極的でない風潮があるため、国によっては女性イスラム教徒の店員がほとんど見られないようなところもある(⇒「民族構成」)。

さらに、商品に使用する肉類については、ポークの使用が全くできないのはもちろん、例えビーフやチキン、マトンの類であっても、イスラム教の戒律に則って処理したハラールミートの使用が義務付けられている(⇒「ハラールマーク」)。このように、イスラム教の宗教上の戒律や習慣からマクドナルドが受ける影響は大きい。

ヒンドゥー教[編集]

ヒンドゥー教については、マクドナルドに影響を与える戒律は一つくらいしか見当たらないが、その一つが半ば致命的とも言える程のインパクトを与えるものとなっている。つまり、ヒンドゥー教徒に対しては、牛肉や牛肉に由来する原料を使った商品を一切売ることができないということである(⇒「原材料」)。このため、インドなどヒンドゥー教徒が多勢を占める国では、ベジタリアンメニューなどの代替メニューが発達している。

仏教[編集]

一神教の宗教に比べれば比較的大らかというか、戒律がややゆるやかな面があってか、仏教がマクドナルドにもたらす影響というのはそれほど多くはない。ただし、敬虔な仏教徒の多い地域などで、例えばお釈迦様の誕生日に当たる時期に合わせて殺生が戒められるため、肉類の提供が制限されるなどの制約を受けることもある(⇒「殺生戒」)

商品[編集]

もし訪れた国にマクドナルドがあるなら、滞在中にぜひ一度は利用してみよう。店の雰囲気はもちろんのこと、店内で扱われているハンバーガーなどの商品についても、少し気を付けて見ればそれぞれの文化やお国柄が出ていることに気付くことができ、とても興味深い。

原材料[編集]

ではインド系住民の多い国ではどうなっているか?

このように書いてくると、「では、モーリシャスとかフィジーなどといったような、インド系住民が国家の多数を占める国では、マクドナルドにおけるビーフバーガーの取扱いは一体どうなっているのか?」といった疑問が当然のことながら生じてくる。

答えを言ってしまうと、フィジーについては確認していないのでよくわからないが、少なくともモーリシャスについては、ヒンドゥー教徒向けのチキンバーガーやベジタリアンメニューに交じって、ちゃんとビッグマックをはじめとするビーフバーガーも売られている。

遠く本国を離れてしまうと、故国では神様の扱いだった牛との付き合いも相当程度ビジネスライクになるから…、などというようなことでは断じてないのだろうが、実際のところ国内に住むイスラム系やアフリカ系住民、それにモーリシャスを訪れる多数の観光客といったように、現実問題としてビーフバーガーへの需要があり、それに対応した結果だと思われる(そういうことを指してまさに「ビジネスライク」というのかもしれないが(笑))。

ただし、地元のヒンドゥー系住民とマクドナルドとの確執もやはりあるようだ。その辺のことについては本文を参照されたい。

マクドナルドといえば「100%ビーフのパテ」が売り物だが、このような「常識」が通じない国もある。インドなどはその典型であろう。

インドで最もポピュラーな宗教であるヒンドゥー教では、そもそも牛を神聖視するために食肉として利用する習慣がない。このような国にマクドナルドが出店しようとするケースでは、後述するように、別の原料を用いたメニューを開発する必要が生じてくる場合がある。

上の例だけでなく、マクドナルドが出店した先の国や地域でメニューにどのような原料を用いるかという点については、結構大きな問題を孕んでいることもある。多少脱線になるかもしれないが、例えば2001年には「マクドナルド社のフライドポテトに牛の脂肪分が使われている」として、米国で賠償金を求める訴訟が起きたことがインドで報道されたことがある。このことに起因して、インド国内のマクドナルドの店舗に抗議が殺到し、ムンバイなどでは一部の店が襲撃を受けて設備が破壊されるといった事件にまで発展したことがあった(2001年5月9日付朝日新聞ほか)。

また、インド系住民が過半を占めるモーリシャスでも、以前マクドナルドがヒンドゥー系住民が多数を占める地域に店舗を進出した際には、ハーリ・クリシュナ教徒を中心とした大規模なデモが行われたし、同地区への出店の正当性を巡って訴訟沙汰にもなったようだ[1]

その他、原料に関連するトピックとして、その国のマクドナルドの商品ラインナップから、現地で比較的よく生産されており、調達コストが安い原料を代替品として用いているのではないかと考えられるケースについて取り上げてみたい。

考えついでに、別の理由もちょっと考えてみる。

タイのマックにあるパイナップルジュース
タイのマクドナルドでパイナップルジュースしか売られていないのは、場合によると、タイ人がオレンジよりパイナップルの方をより好む、あるいは自国の果物を守るためにオレンジに高い関税をかけているため国内にオレンジが入ってこない等々別の理由もあるのかもしれない。

何故なら、生産量が常に世界のトップクラスということは、タイでは生活の周りにごく当たり前のようにパイナップルがあふれており、人々にとっても日常的にごく当たり前に接している、とてもなじみ深い食べ物であると推測されるから。そのような食べ物がその国の人々の嗜好に影響を与えないわけがない。また、関税云々の話についても、かつて日本がみかん農家を守るためになかなかオレンジ輸入の自由化に踏み切らなかったことを思えば、あながちなくもない話かも(※)。

…、などなど、実際のところはともかく、そんな点にもつらつら思いを至らせながらタイのマクドナルドでパイナップルジュースを飲みつつハンバーガーを頬張るというのもなかなか楽しい体験だ(ただし最近は状況が変わりつつあるようだ。そのあたりについては右下のコラム「タイよ、お前もか」を参照)。

※関税云々説の方について言えば、実際のところ、このようなことは断じて「ない」であろう。というのも、同じFAOの統計によれば、タイはパイナップル濃縮果汁輸出量も世界一の国だから。何も国内消費のためだけであれだけの生産量を誇っているわけではないのだ。このような国で、例えば自国産品の保護のためオレンジに関税障壁を設ければ、タイのパイナップル果汁にも他国から報復関税がかけられてしまい、輸出が滞ってたちまち産業として立ちいかなくなってしまう。

タイよ、お前もか。

記事冒頭にある「ワイ」をするドナルドを撮るために立ち寄ったBTSチットロム駅近くのマクドナルドでは、かつて定番だったパイナップルジュースがメニューから消え、替わりにオレンジジュースとアップルジュースが幅をきかせていた。

メニューからパイナップルジュースが消えてしまった理由は不明だし、バンコク中のマックをチェックしたわけでもないので、これがこの店だけのことなのかタイ全体の傾向なのかどうかもよくわからない(ただし近隣にある市内の他の店舗でも同じようなメニューになっていたから、バンコクエリアではオレンジジュースやアップルジュースがかなり一般的なメニューになっているようだ)。世界的にも有数のパイナップル産出国でお目にかかることができる、ローカル色豊かな定番メニューとしてこれまで親しまれてきたパイナップルジュースが、いともあっさりとマックのメニューから消えてしまうとしたら何とも悲しいことだ。

パイナップルとかマンゴーとか、ご当地でよく採れる原料を使えばいいのに、「こっちが世界標準だから」とか、あるいは単に「おしゃれだから」という理由でわざわざオレンジに替えてしまったのだろうか(もともとタイではパイナップルは安価な食べ物というイメージも強いので、(邪推かもしれないが)近年の経済成長に伴って中産階級が台頭してきた今日では、パイナップルジュースはそんな風に多少羽振りがよくなった人たちから見ると「ダサい飲み物」と写ってしまうのだろうか)?それとも国際規模で、一括してオレンジを調達した方が安上がりといったような理由なのだろうか(こちらについては、地域ごとに独立採算性を敷いているはずだし、どの地域であれオレンジをマックが集中的に買い叩くと価格形成をゆがめてしまうので、理由としてちょっと考え難いが)?

ちなみに、そのようにしてわざわざ(?)売られているオレンジジュースも試してみたが、保存料多めなのか、少し薬臭くて正直あまりおいしくなかった(ここまでしてオレンジジュースにこだわらなくても、これなら以前売られていたパイナップルジュースの方がはるかにおいしいしその意味でも返す返す残念だ)。

もっとも、国民が長い歴史の中で馴れ親しんできた食習慣が、ここ10年といったようなそんなに短期間で劇的に変わるというわけでもない。「タイ=パイナップル」というDNAは別の形で脈々と受け継がれているようで、従来のパイナップルジュースに替わり「パイナップルパイ」という他では見かけないようなメニューがしっかりとお目見えしている。

一例として、タイではかつてメニューにオレンジジュースがなく、代わりにパイナップルジュースが並んでいた(最近の状況についてはコラム「タイよ、お前もか」参照)。では同じようにパイナップルがポピュラーな近隣の東南アジアの国々のマクドナルドがすべてそうかというとそんなことはなく、シンガポールマレーシアなどでは以前からちゃんととオレンジジュースをメニューに載せていた。この違いは一体何なのか?

この点については、パイナップルが比較的安価に調達できるといったタイの特殊事情が強く影響しているのではないかと想像できる。何故かというと、FAO(国連食糧農業機関)の統計によれば、2009年におけるタイのパイナップルの年間生産量は約190万トンで、フィリピンに次いで第2位となっており、年によって上位の国や生産量には若干の波こそあれ、タイは毎年生産量で200万トン前後、世界各国のパイナップル生産量の順位でずっと1位か2位に付けているパイナップルの生産大国であることがわかるからだ。

単純に量で比較すると、タイでは、年間40万トン程度を生産している隣国マレーシアの約5倍のパイナップル生産量を誇っていることになる。

しかも、年によって生産量が下がる理由を調べてみると、どうやら価格が下落して農家が生産意欲をなくすことが大きな要因のひとつとなっているらしい[2]ので、逆に言えばそれだけタイでは安価にパイナップルが調達できていることが伺えるわけだ。

ちなみに、同じFAOの統計で2009年における他の周辺国の生産動向もチェックしてみると、フィリピンが約220万トンでトップ、インドネシアが約160万トンで第4位を占めている。ではこれらの国のマクドナルドでパイナップルジュースがメニューに上がっているのだろうか?

インドネシアでは、順位こそ世界10位だが、オレンジの生産量が約200万トンで、パイナップルの生産量をはるかに上回っていることから、その辺の事情が何となくわかる。一方フィリピンではオレンジの生産量が国内ランキングに載ってこないほど少ないので、材料調達から見ればパイナップルジュースがメニューに上がってもよさそうなものだが…、と長い間考えを巡らせていたのだが、ようやく現地で確認する機会に恵まれた。答えはやはり想像したとおり。フィリピンも、メニューにオレンジジュースではなく、パイナップルジュースを載せていたのだ。

これまでつらつら述べてきたが、マクドナルドで出されるジュース一つとっても、なかなか奥が深いことがわかっていただけるかと思う。

サイズ[編集]

通常のハンバーガーなどは世界的にサイズが統一されているそうだが、それ以外の商品で見てみると、各国のマクドナルドで販売されている商品のサイズにもいろいろなバリエーションがある。

アメリカなどでは、ラージサイズを注文すると、小さなバケツくらいのカップに入ってマックシェイクなどの飲料が出てくることがあるし、イスラエルのマクドナルドでは、通常のハンバーガーの2~3倍くらいのボリュームがあるのではないかと思われる商品が販売されていたのを目にしたことがある。台湾のマクドナルドのドリンクはSサイズでも日本のLサイズほどはありそうで、Lサイズを頼めば1リットルあるのではないかと思うものが出てくる。


価格[編集]

ビッグマック指数(その2)

その国にとって、マクドナルドの商品がどれくらい価値のあるものなのかを知る手がかりとしては、エコノミスト誌が出している「ビッグマック指数」が面白い。冒頭にも紹介されているとおり、世界中で食べられているビッグマックの価格を比較してはじき出すもので、いくつかのバリエーションがあるが、そのうちの一つにビッグマック購入に必要な労働時間数という指数がある。

2009年3月に算出されたデータによれば、ビッグマック1つ食べるために働かなければいけない時間数は、シカゴ東京など場合は10数分程度だが、ジャカルタナイロビの場合は2時間~3時間弱となっており、国によってビッグマックの価値にも相当開きがあることがわかる(もちろん、データには拾われていないが、仮にビッグマックがあったとしても、高すぎてどれだけ働こうがとても手が出ない国、というのもあるわけだ)。

ちなみに、世界平均は約40分で、シンガポールなどがこれに該当するそうだ。

「一物一価」というわけでもなかろうが、マクドナルドの場合、実際世界のどこで食べても、例えば貨幣価値が日本円に比べてかなり低い国でマクドナルドを利用しても、感覚的には日本国内でマクドナルドを利用し、日本円で支払うのとさほど変わらないくらいの値段設定になっていることが多い。当然のことながら、それらの国では、相対的にマクドナルドの商品が他の商品(特に、街中の食堂などで食べるその国の料理)に比べえらく高く感じられる(例えばビッグマックがその国の人にとってどの程度の価値があるかについて、右のコラム参照)。

このため、特に途上国のマクドナルドを利用する地元の客は結果的に上流階級の人が多くなる傾向があるように思われる(マクドナルドで一家そろって食事ができるということ自体がある種のステータスシンボルになっているような場合がある。このあたりは「客層」の所でも触れた点と絡んでくるところである)。

ハンバーガーなどの価格についても、旅の途上で面白い体験に出会うことがある。トルコのハイパーインフレなどはその例であろう。1999年当時、トルコはハイパーインフレに見舞われており、1トルコリラ≒US$0.0000023(つまり1US$が約44万トルコリラ)程度の価値しかなかった。当時のメモによれば、マクドナルドで注文したオレンジジュース1杯が55万トルコリラ、ハンバーガーが40万トルコリラ、ビッグマックセットが125万トルコリラとなっている。

これだけ聞くと、何だかマクドナルドで食事をする際に札束が飛び交っているようなイメージを持たれるかもしれないが、どこの国でも、このような時期には「100万トルコリラ」のように超高額紙幣が流通するので、カバンから取り出した札束を「ドン!」とカウンターに置いてハンバーガーを注文するなどということはさすがにない。

ちなみに、その後さらにインフレが進んだトルコは、2005年1月にそれまでの100万トルコリラを新1トルコリラとするデノミを行ったので、現在トルコのマクドナルドではこのような天文学的(?)な数字の値段を目にすることはなくなっている。


ハラールマーク[編集]

トレイシートに印刷されたハラールマーク(オマーン、2007年)

イスラム教徒の場合、ポークが食べられないのはもちろんだが、仮にビーフやチキン、マトンなど、イスラム教徒が口にすることができる肉類を使用する場合でも、イスラム教の教義に則って(有体に言ってしまうと、アラーの神に祈りを捧げながら)屠殺した家畜の肉しか食べることができない。このため、外資系のレストランなどでは、メニューに使われている原料が、それらイスラムの教義に則って用意されたものであることをあらかじめ証明できるマークを用いる場合がある。このマークのことを「ハラール」という。

イスラム教圏で営業しているマクドナルドの場合、必ずといっていいほどこのハラールマークを用いており、例えばトレイシートやハンバーガーの包装紙などにハラールマークを印刷することで、店内で扱われているメニューが、イスラム教徒が口にできるものであることを明示するなどの配慮が施されているケースが多い。

なお、自国でハラールミートを調達してはいないが、イスラム教住民のために、ハラールミートを他の国から調達して使用している場合にも、そのような表示がされることがある(モーリシャスなどはその例。トレイシートにハラールマークとともに「エジプトから輸入された肉である」旨の表示がされている)。


カシュルート[編集]

実際に行ってみた。

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以前この記事のコラムで、イスラエルのチーズバーガー事情についてちょっと調べて見たところ、やはりマクドナルドがイスラエルでチーズバーガーを売り出す際に、社会的な論争が巻き起こり、その結果、イスラエルではカシュルートに則ったマクドナルドの店舗とそうでない店舗ができ、カシュルートに則らない店舗の方ではチーズバーガーを提供しているといった情報を紹介したことがある。インターネットベースでの情報だけでも結構興味深い内容だったので、機会があったらぜひイスラエルのカシュルートに則ったマクドナルドを訪れてみたいと思っていたが、2017年の5月にエルサレムを旅行した際、ようやくそのマクドナルドを訪れることができた。

今回訪れた、エルサレム郊外の「キャニオンモール」というショッピングモール内にあるカシュルートに則ったマクドナルドでは、この記事でも紹介したとおり、通常の店舗と簡単に見分けが付くように、看板も普段見慣れた赤地に黄色ではなく、青地に黄色のMが描かれた仕様でMの部分にはヘブライ語と英語で大きく「カシュルート」という文字が添えられたロゴを実際に使用しており、カウンター横にはその店がカシュルートに準拠したメニューを出す店であることをラビ(ユダヤ教の宗教的指導者)によって証明した証明書が飾られ、さらにテイクアウト用の紙袋や飲み物類の紙コップ、包装紙、トレイシートなどについても、全てこの青地に「カシュルート」の文字入りのデザインで統一したものを使用していた(コラム内の画像と「ご当地メニュー」の項目参照)。

店員に聞いてみると、その店は通常のマックのように年中無休ではなく、ユダヤ教の安息日である土曜日と、ユダヤ教の祝祭日にあたる日は店を閉めてしまうのだそうだ。そんな特殊性もあるため、一見ユダヤ教徒だけを相手にしており、異教徒の、まして外国人旅行者にとっては非常に敷居の高い店なのかとも思ってしまうかもしれない。でも実際は店内のメニューにはヘブライ語に加えて英語でも表記されており、店員も英語が通じるので、英語で注文できさえすれば通常のマックと同じようにスムーズに商品を出してくれるし、それを店内のテーブルに持って行って、いつもと同じように食事を楽しむことができる。ユダヤ教徒優先で異教徒の利用が制限されるということもないので、実際にはそれほど利用が困難なわけではない)。

ユダヤ教徒にとってのオーソドックスなマクドナルドは大体こんな感じだが、イスラエル国内ではこれがポピュラーなスタイルなのかというと実はそうでもなく、このようなユダヤ教の戒律に厳格に従ったマクドナルドを現地で探す方が実は結構苦労する。当初の「ユダヤ教徒がカシュルートに則ったマクドナルドを容易に見分けられるように、看板のデザインは青と黄色を基調にする」というルールは大分崩れてきているようで、普通の赤字に黄色の看板のマクドナルドの中にも、カシュルートを謳った店舗も出てきているようだし(ただし、その場合は看板にカシュルートのマックであることをきちんと表示している)、同じユダヤ教でも世俗化が進んだテルアビブあたりだと、そもそもカシュルートのマック自体をほとんど見かけないからだ。

「出会えたらめっけもん」くらいの存在になりつつある「ユダヤ教的オーソドックス・マクドナルド」だが、もしイスラエルを旅していてそのようなマクドナルドを見かけたら、話のタネにぜひ訪れてみるとよい。「いつもと同じようでいて、何かが決定的に違う」みたいな、不思議な気分を味わうことができるし、何よりマック好きにとっては、「イスラエルには決してチーズバーガーを供することのないマクドナルドというものが、やはり確かに存在しているのだ」ということをその場で実感し、ある種の感慨深い気持ちに浸れるから。 [3]

イスラム教のハラールと似たようなものに、ユダヤ教のカシュルート(Kashrut,Kosher)がある。これはユダヤ教の戒律に由来する食事規定で、例えば「偶蹄類の反芻動物(ウシやヒツジなど)は食べてもよいが、それ以外の動物は食べてはならない」、「鱗のある魚類は食べてもよいが鱗のない魚類(ウナギやナマズといった類の魚)や甲殻類は食べてはならない」等々、ユダヤ教徒が食べてよいものと悪いもの(食い合わせのタイミングや調理方法なども含む)がこと細かに規定されている[4]

提供される食事がカシュルートに適合し、ユダヤ教徒が食べてもいいものかどうかはユダヤ教のラビ(宗教的指導者)が判定しており、イスラム教のハラール同様、その証明を求められることもある(余談だが、イスラエルのエル・アル航空の機内食では、ちゃんと機内食がカシュルートに適合したメニューである旨のユダヤ教のラビによる証明書が添付されてくる)。

このカシュルートの中には、旧約聖書の「出エジプト記」や「申命記」の中に出てくる、「母の乳の中で子ヤギを煮てはならない」という下りから派生した、「ミルクと肉を混ぜたものは食べてはならない」という決まりもある。このため、ユダヤ教徒は、ミルクなどの乳製品や肉はそれぞれ食べたり飲んだりするものの、それらが同時に胃の中にあるような食べ方や飲み方を決してせず、一方が完全に消化されてしまうくらいの時間をおいてから、もう片方を食べるなり飲むなりするそうだ。

さて、これを聞いてはたと思いつくのが、「では、イスラエルではチーズバーガーなるメニューが果たして成立するのか?」という疑問である。肉と乳製品を同時に胃の中に入れてはいけないというルールから論理的に考えれば、チーズバーガーもユダヤ教徒にとってはご法度ということになりはしないだろうか?

もしそのような疑問を抱いたら、そのような「仮説」が果たして正しいのかどうかを旅の途上で検証してみればいいわけだ。イスラエルは他の旅行先に比べればやや行きづらい土地柄ではあるが、もしまた次に訪れる機会があれば、今度は自動小銃を床に転がしてハンバーガーを食べている民兵ばかりに気を取られていないで(笑)、店頭のメニューにチーズバーガーがあるかを店員に聞くなり、メニューをチェックすればいいということになる。


栄養価表示[編集]

マクドナルドの商品は「高カロリーで肥満の温床である」、あるいは「栄養が偏っている(極端な例だと「毒のかたまり」である)」といったような中傷方々からを受けるケースが多いせいか、マクドナルド自身がいろいろな機会を利用して、「取り扱っている商品はちゃんと栄養バランスのとれた商品である旨」のアピールを積極的に行う場合がある。

この活動の一環であろうと思われるが、国によっては、トレイシートの裏面やハンバーガー用の包装紙に、商品ごとのこと細かな栄養価表示や、あるいは「成人女性や子供一人に必要な一日あたりのエネルギー摂取量のうち、何パーセントをこのハンバーガー一つで補えるか」といったような情報を載せているケースがある。そんなことをして、いったいどれくらいの人がそれを真面目に眺めるのかという疑問もなくはないが、とにかく会社としての「姿勢」を示すことが重要なのであろう。

このように、トレイシートの裏面に栄養価表示を載せたものが使われたことがある(現在使用されている場合も含む)ことが確認できる国の例として、イタリアエストニアオマーンオランダスロバキアトルコニュージーランドハンガリーポルトガルマレーシアルーマニアロシア(以上五十音順)などがある。

ポテトなどに付けるソース類[編集]

チリソースとケチャップ用のポンプ

フライドポテトそのものについては世界のどこで食べてもそれほど変わらないものが出てくるが、そこにつけるソースやドレッシングの類については地域によって結構バリエーションがある。日本のように塩だけで食べる(現在は¥30で売っているシーズニングと一緒に袋に入れて振る、同じく¥30でナゲット用のマスタード・バーベキューソース・ケチャップが買えるが)というのはむしろ少数派で、大抵の国ではケチャップを付けて食べる(ケチャップが別についてくる場合もあるし、「それが当たり前でしょ」と言わんばかりに最初からケチャップがかかってくる場合もある)。あまり知られていないが、日本でも沖縄県の店舗はケチャップをかける(もっとも、沖縄はアメリカ統治が長かった、銀座のマクドナルド以前からA&WやJEFといったチェーンが存在する)。

また、マスタードなども結構見かけるし、東南アジア中南米の国ではチリソースもポピュラーで、2~3リットルもありそうなポンプ式のチリソースの容器がカウンターに置かれていることもある(右画像参照)。

その他、イギリスやイギリス文化圏のマクドナルドでは、フライドポテトに付けるためのビネガー(麦芽酢)が置かれていることがある(油で揚げたポテトにさっぱりした感じのビネガーがマッチして結構いける)。また、フィリピンのマクドナルドでは、フィリピン国内でポピュラーなバナナケチャップがポテトなどのソースとして用意されているし、以下の「ご当地メニュー」にも紹介されているが、カナダケベック州のように、ポテトにグレービーソースと溶けたチーズを絡めて食べることもある(ただしこの場合は好みでかけるというより、あらかじめそれらがかかったポテトが「プチン」というメニューで売られているといった方が正確である)。


ご当地メニュー[編集]

テリヤキバーガーなどの日本発祥のメニューが折からの日本食ブームによって世界各地に広がっていった例があるかと思うが、世界各地には、まだそれほどまでの普遍性のない、ローカルメニューもいろいろと存在する。地域的な広がりもさまざまで、その国しかないようなメニューもあれば、「イスラム文化圏」のように、一定程度の地域的な広がりを持って受け入れられているようなメニューもある。そんな世界各地域で出されているご当地メニューのうち、特徴的なものをいくつか拾ってみた。

アジア[編集]

  • ベジタリアンメニュー
    ベジタリアンメニューインドなど) — インドでは牛肉を使ったメニューが使えないことは上述のとおりである。このため、インドのマクドナルドでは、ベジタリアンメニューが独自の発展を遂げており、大体メニューの半分くらいが、例えばビーフパテの代わりにコロッケを使ったようなベジタリアンメニューとなっている。なお、ベジタリアンメニューには小さな四角で囲まれた緑の丸が、また、ノンベジタリアンメニューには小さな四角で囲まれた赤の丸がそれぞれ付いており、それらでベジタリアンメニューかどうかを見分ける仕組みとなっている(ちなみに右画像はベジタリアンメニューのバーガーに使われている包装紙で、ベジタリアンメニューであることを示すための、四角に緑の丸のマークが付いている。ちなみにこのマークはマクドナルドだけでなく、インド国内のレストランなどで共通に使われているマークである)。
  • マハラジャ・マックインド) — 宗教上の理由から牛肉を食べることができないインド人(主にヒンドゥー教徒)のために作られたメニュー。ビッグマックのパテが牛肉使用のものからチキン使用のものに変わったものである(チキンの代わりにマトンを使用していたこともあった)。
  • 中華風鶏粥
    中華風鶏粥ブルネイ) — 米食文化が基本の東南アジアでは、現地のマクドナルドが、ご飯もののメニューをそろえることもあるが、これもその一つ。現地で"Bubur Ayam"と呼ばれる、ショウガとゴマ油の風味がきいたお粥で、これに胡椒をかけて食べる。注文すると、アツアツのお粥を発泡スチロール製のお椀に入れて出してもらえる。どちらかというと朝の定番メニューの一つだが、マクドナルドでは1日中楽しむことができる。香港の専門店などで楽しむことができるお粥に似た味で結構いける。値段はSサイズでB$2.75。
  • ロンガニーサとガーリックライス
    ロンガニーサとガーリックライスフィリピン) — 甘い味付けの粗挽きソーセージを大きくしたようなもの(ロンガニーサ)に目玉焼きとガーリック風味のライスが付いてくる。もともとはフィリピンの朝食の定番メニューの一つで、マクドナルドでも朝のセットメニューに取り入れられている。ライスが紙に包まれてボール状になって出てくるのは、インドネシアなど、やはりライスをメニューに取り入れている他の東南アジアの国々にあるマクドナルドと同じ(一見日本の握り飯のようにも見えるが、インディカ種のパサパサの米なので、紙を広げるとすぐに形が崩れる)。
  • フライドチキン台湾) — 屋台のフライドチキンが人気の台湾では、マクドナルドでもチキンナゲットだけではなくフライドチキンが販売されている(ちなみにケンタッキーではローストチキンが年間通して提供されている)
  • パイナップルパイ
    パイナップルパイタイ) — 日本で売られているアップルパイの中身がパイナップルになったと思えばほぼ正解のメニューで、一口頬張るとジャム状になったアツアツのパイナップルの甘酸っぱい風味が口いっぱいに広がってとてもうまい(台湾みやげとして人気のあるパイナップルケーキを温めたときの風味にも、あるいはちょっとだけ似ているかもしれない)。酢豚とか、一部の中華料理の具材にあるくらいで、普段パイナップルを温めて食べる習慣のあまりない日本人にとってはちょっと引いてしまうかもしれないが、これが思いの外おいしい。おすすめの一品なので、現地で見かけたらぜひ試してみるとよい。
  • 紅茶 (インドなど) — 紅茶自体は世界中どこのマクドナルドにもあるメニューかと思うが、インドスリランカなど、主にインド文化圏の国や地域では、何も指定しないで「紅茶」と頼むと、ミルクティーが出てくることがある。これなども、「チャイ」の文化を伝統的に引き継いでいる例であろう。
  • パイナップルジュースタイなど) — 「原材料」のところでも述べたが、タイやフィリピンでは、オレンジジュースに代わるものとしてパイナップルジュースがメニューに載っている。

中東[編集]

  • マック・アラビア
    マック・アラビア中東) — 主に中東諸国のマクドナルドで扱われているメニューの一つで、バンズの代わりにパン種の入っていない、薄く焼いた円形のアラビア風パンを使っているのが特徴(中東で出てくる「サンドイッチ」は大体このタイプのものである)。中の具はコフタと呼ばれるスパイスのきいた肉団子とグリルチキンの2つのタイプがある。
  • アイラン
    アイラントルコ) — アイランとはヨーグルトに塩と水を混ぜて作る飲料で、トルコで好んで飲まれている。この飲料の人気が高いため、トルコのマクドナルドではローカルメニューとしてアイランが取り入れられている。塩味といっても「ほんのり淡い」といったようなレベルではなく、「塩辛い」と感じるくらい、かなりしっかりとした塩味が付いている。また、ヨーグルト自体も口に含むとかなり濃厚な食感がある。日本では塩味のヨーグルト飲料というものは飲みなれていないため、当初口にすると正直かなりの違和感がある(一旦飲み慣れてしまえばごく普通に飲めるようになるのだろうが)。マックでの値段は1つ3リラ。
  • カシュルートメニュー
    カシュルートメニューイスラエル) — イスラエル内の一部のマクドナルドでは、「偶蹄類の反芻動物(ウシやヒツジなど)は食べてもよいが、それ以外の動物は食べてはならない」、「鱗のある魚類は食べてもよいが鱗のない魚類(ウナギやナマズといった類の魚)や甲殻類は食べてはならない」等々、ユダヤ教の戒律に由来する食事規定である「カシュルート」に則ったメニューが提供されている(詳しくは「カシュルートの項目」参照)。それらメニューの中には、カシュルートに則っていない製品との見分けを容易にするため、画像のように青地に黄色のMを用いたデザインの包装が使われることがある。ただし、現地でしか手に入らないような特殊な食材を使ったメニューというわけでもないので、実際に食べてみると、いつものマックのメニューとそれほど変わるわけではない。ただ、マックの異文化受容を肌で実感できるという点では非常に興味深いものなので、もし現地でそのような店舗を見つけたら、一度話の種に訪れてみるとよい。

南北アメリカ[編集]

  • プチンカナダケベック州) — フライドポテトにチーズを載せて、グレービーソースがかかったプチンが極当たり前のようにメニューにある。マクドナルドの他にもウェンディーズ、KFC等でもプチンは購入可能
  • ガジョ・ピントコスタリカ) — 黒いんげん豆と一緒に炊いたパサパサしたご飯で、見た目がどことなく日本の赤飯に似ている。中米カリブ海諸島一帯では代表的な朝食のメニューの一つであり、コスタリカのマクドナルドでは"Mc Pinto"の名前でこれを朝食メニューに取り入れている。

安全かつ貴重な水・ジュース類[編集]

日本人が外国で旅行する上で最も心配する事といえば、安全な水を入手する事であろう。慣れない外国でどこにスーパーがあるのかでさえ分からないといった事態も考えられる。そこで、タクシーや野外広告にある地図を頼りにマクドナルドへ行ってみると良い。店内に入り、一通りメニューを頼んだ後、水またはジュース類を1か2杯程度を「Please give me cold water.(冷たい水をください)」と言って頼んでもらい、それを水筒に移すことで確保するというわけだ。もっとも、現地の人々も貴重で安全な飲み物であることには変わりはない。究極的に言うと、「マクドナルドを見かけたら「オアシス」と思え!」となるだろう。

特に途上国への旅では、このように「安全・安心の対価」としてマクドナルドが利用されるケースも多くなる。

その他周辺アイテム[編集]

店舗やメニューなどに加え、ドナルドの人形や店に飾られているポスター、トレイシート、ストロー入れなど、周辺の「小道具」にも、文化の違いを彷彿とさせるような要素をいろいろと見つけることができる。旅行中にマクドナルドに入ったら、ハンバーガーを黙々と食べるだけでなく、店内を見渡して、何か気づくことはないか観察してみると面白い。

ドナルドのイラストや人形[編集]

左上から時計回りに、韓国ホンジュラスレバノン及びポーランドのドナルド

カールした赤毛にピエロのメイク、赤と白の横縞のシャツに黄色のつなぎのようなズボンと靴という定番のいでたちで客を迎えてくれるマクドナルドのマスコット「ドナルド」。大まかな意味では世界のどこで会っても彼の姿かたちにはかわりがないが、これもよく見てみると、地域によってそのしぐさや顔立ちに多少の違いが表れているのを確認できる。

タイのマクドナルドにあるドナルドの人形が合掌して客を出迎えてくれるのは有名な話だが(冒頭の画像参照)、よくよく見るとその表情も、現地の人の風貌に合わせて多少デフォルメされているのではないかと思えるフシもある(もう一度よく冒頭のドナルド君をご覧いただきたい。なお、ネットでもを見つけたが、これなどは「ピエロのお兄さん」というより、その昔「おれたちオレたちひょうきん族」の中で出てきた、ビートたけしが扮するアルプス工業の従業員(鬼瓦権造)の方にむしろ風貌が似ている。こちらについても、現地の人が受け入れやすい顔立ちに合わせて「デフォルメ」したものだろうか?)。

以下は勝手な想像だが、ドナルドの風貌については、マクドナルド本社にもおそらくCI(コーポレートイメージ)や著作権などに照らして、一定の許容範囲があるのではないかと思われる。それ故に、世界に散らばったドナルドの末裔たちの風貌については本社として物申したい部分も多々あるのではないかと推察されるが、「地域に親しまれるマクドナルド」というコンセプトと天秤にかけて、今のところ「ぐっ!」と言葉を飲み込んでいるのではないだろうか?アメリカン・スタンダードな「ドナルド君」を現地に押し付けて「バタ臭い」とか言われて敬遠されてしまっては、現地でのスムーズな進出もおぼつかないだろうから。

ところで、以前訪れたバンコクの博物館には、一堂に並べられた、一見同じ姿かたち大きさの仏陀の坐像が、地域によって彫の深い顔やのっぺりした顔など実に様々な風貌を備えていることが一目でわかるといった、興味深い展示があった。

これと同じように、世界中のマクドナルドでドナルドの表情を片っ端から撮影して見比べてみれば、案外上の仏像のような風貌の違いというものがあぶりだされてくるかもしれない(試しに右上の画像のとおり、4か国のドナルドを並べてみた。これだけでも地域によって多少の違いが出ているように見える。もっといろいろな国のドナルドを並べてみたら、さらに面白いかもしれない)。

隣国ではおじさん扱い

ドナルドがほかの国ではどのように呼ばれているのかちょっと調べてみた。大抵はアメリカに倣って「Ronald McDonald」と呼ぶケースが多いようだが、韓国では「로널드아저씨(ロノルドアジョッシ)」、中国では「麥當勞叔叔(マイトンラォシュゥシュゥ)」と呼ばれている。意味はそれぞれ「ロノルドおじさん」と「マクドナルドおじさん」。

日本では20代くらいの「あんちゃん」風に描かれることが多いように思えるドナルドだが、我が国の隣国ではいずれも「おじさん」扱いなのだ。

なお、店頭やテレビCMなどでもおなじみの、マクドナルドのマスコットキャラクターである彼氏だが、実は「ドナルド」というのは日本だけで使われている通称で、本名(?)は異なる。

彼の本名は「ロナルド・マクドナルド」。なぜ日本でだけ「ドナルド」と呼ばれているのかだが、日本マクドナルドのHPによれば、日本語の言い回しでは「ロナルド・マクドナルド」より「ドナルド・マクドナルド」の方が発音しやすいから、とされている。実際、「ドナルド」の方が語呂がいいので、より親しみが持てて覚えやすいといったような効果もあるかと思われる。


遊具設備[編集]

店内にある滑り台(マレーシア

どこの国のマクドナルドでも、子供連れの利用客は結構多いし、世界的に見れば、国によっては家族総出でマクドナルドに食事に行くのが一種のレジャーのようになっているところもある(どちらかというとアジア諸国やアラブ諸国など発展途上国に多いパターンであある)。

マクドナルドに家族で来てワイワイと話をしながら食事を楽しむわけだが、やはり小さい子供の中には飽きてしまってむずかるようなケースもあるのだろう。店によっては、そのような小さな子供が飽きてしまわないように専用の遊具や遊びスペースを設けているところもある。

遊具設備設置のため取れるスペースなどは店によって異なるので、当然のことながら乳幼児向け遊具・設備の有無や種類、充実度などは店によってまちまちである。店の一画を囲ってクッションやおもちゃのようなものを置いた簡単な設備から、中には子供専用の滑り台を店に備え付けたような設備を持ったところもある。

子供の遊び場を設ければ、その分客席が減るので、店にとっては一見収益を生み出さないデッドスペースを設けているように思えるかもしれないが、見かたによっては、店内の遊具設備が充実していることがいわばその店の「ウリ」になり、家族での利用客の集客力アップにつながるということも考えられる。

そのように考えれば「お休みの日は、一家総出でマクドナルド」みたいな文化が定着している国や地域で営業する場合は、これら遊具設備の充実度というのも、店にとっては結構バカにならない点なのかもしれない。


トレイシート[編集]

火事の際の避難方法が印刷されたシート(台北市

フィールドワークの方法」の所でも述べたが、世界のマクドナルドを楽しむための基本アイテムの一つである。国によって大きさ、デザイン、形などさまざまなものが使われており、コレクションとしても楽しい。

日本だと、A4くらいの大きさのシートがトレイに載ってくるが、国によってはB4か、あるいはそれ以上の大きさのトレイシートが使われていることがある(イスラエルフランスホンジュラスなど)。材質も、通常は油分を吸い取りやすいのと、おそらくはコスト削減のためにざら紙のような安い材質の紙が使われることが多いが、以前ロンドンで入ったマクドナルドでは、アート紙を用いたトレイシートが使われていた。

形も普通はトレイに合わせた長方形だが、ニューデリーのマクドナルドでは(やや形容しがたいが)刺身の盛り合わせについてくるビニールの笹のような形のトレイシートに出くわしたことがある(これなどは、実用性というより、完全にアイキャッチの方を優先させているものとしか言いようがない)。

印刷デザインの多様さについては言うまでもないであろう。マクドナルドのラインナップを扱ったもの(世界各地)から、マクドナルドの衛生管理や社会貢献活動を紹介するもの(中国など)、マクドナルド関連イベントやスポンサーイベントの紹介(香港オランダなど)、新発売のメニューの紹介(世界各地)、変わったところでは子供向けに火事の際の避難の仕方を図解したもの(台湾、右画像参照)など、実にいろいろなものがある。

また、英語は言うに及ばず、スペイン語中国語ロシア語アラビア語ヘブライ語等々、訪れたそれぞれの土地の文字が踊っているトレイシートを見ているだけでも楽しい。

なお、収集の際の注意点として一言。トレイシートはその目的上、ハンバーガーやポテトの油分、ジュースのシミなどが付きやすいので、きれいなものを残しておきたいと思ったら、保存用に1枚余計にもらうのがコツである。店員には多少怪訝な顔をされるかもしれないが、「趣味で集めている」などと説明すればちゃんともらえる。


包装紙など[編集]

ハンバーガーの包装紙やフライドポテト用の紙のケースなどもコレクションとしては楽しい。

一口に包装紙といっても、その国の言葉が印刷されているもの、ベジタリアンメニュー用の、白地に黄色や緑を基調にした色づかいになっているもの、包装紙の片側が茶色、もう片方がオレンジ色で印刷されており、どちらを前にして包むかでハンバーガーとチーズバーガーを分けるコンバーシブルタイプの包装紙など、さまざまなタイプのものがある。

これらのグッズはトレイシート以上に油などが付きやすいので(そのために使われているのだから当然と言えば当然だが)、持ち帰る場合はマクドナルドにナプキンとして備え付けられているペーパーに挟んで簡単な油抜きをし(ペーパーを挟んだまま持ち帰った方が、油が抜けてよい)、帰国後に中性洗剤を含ませたペーパータオルなどで油分をふき取って保存するようにすると、比較的状態がいいままで保存できる(ただしあまり汚れたものは保存できないので、下手に持ち帰らない方がよい)。

その他のグッズ[編集]

その他、店内にさりげなく置かれている関連グッズにも地域の特徴を垣間見ることができる(と思われる)場合がある。

一例として、マクドナルドに置かれているストロー入れをちょっと眺めてみたい。普通よく目にするのは、直方体の茶色いケースで、下に付いているレバーのようなパーツを押すとストローが1本だけ出てくるタイプのものかと思うが、地域によっては昔よく見かけたような、ガラス製の透明な筒状の容器に、紙のカバーに入った多数のストローが立てて入れられているのを目にすることがある(以前ロンドンで入った店がそのようなストローの置き方をしていた)。

気を付けていないと見逃してしまいそうな些細な事柄には違いないが、もしかすると、そんな何気ない光景の中に、実は「例えマクドナルドのような「新参者」の進出を許しても、我々にとって決して変えることのない部分は大切に残しておくぞ」といった、「ジョン・ブル(典型的なイギリス人のこと)」一流の頑固な気質を垣間見ているのかもしれないし、だとしたらそれって結構重要なメッセージを含んでいるな…、などと想像を逞しくしたりするのも、旅の途上では結構楽しい体験だ(もちろん帰ってきてから思い起こして楽しむといったこともあるだろう)。

マクドナルドから世界を眺める楽しさ[編集]

つまるところ感性

別に偉ぶって旅行哲学をぶつつもりなど毛頭ないが、ちょっとしたコツとしてひと言だけ。世界各地のマクドナルドを肴に少しでも旅を楽しくしようと思ったら、各地のマクドナルドの違いに興味をもったり、あるいは面白がったりすることができるような感性を持ち続け、それを常々磨いていくように心がけることが大切だ。

このように書くと何やら小難しいことを言っているようにも聞こえるが、別にそんなことはない。要は、世界で遭った、日本とは異なるマクドナルドの光景を前にして、素直に面白がったり感心したりできるような心を養えばいいだけのこと。また、単に面白がったり感心したりするだけでなく、「それってどういうこと?」とあれこれ考えを巡らしてみたり、あるいは自分なりに仮説を立てて周辺の情報を調べたりすることができれば、楽しさにさらに広がりと深みが加わる。

何もマクドナルドだけではない。自分の旅行を楽しく、そして豊かにするのもつまるところ感性や好奇心、まあ言ってみればそんなものだろう。

以上、旅行で訪れた世界各地の街での体験をさらに面白くするためのアイテムの一つとしてマクドナルドを取り上げ、いくつかの切り口から世界のマクドナルド事情の一端を紹介してみた。

世界中にこれだけ広がって現地との融合を図りつつ発展を遂げているマクドナルドについて、ここで全てを語るなんてことは毛頭考えてもいないし、またできるわけもないが、マクドナルドを通じて世界を見る楽しさを少しばかりは紹介できたのではないかと思う。

ここに取り上げた以外にも、世界にはまだまだ面白いマクドナルドやマクドナルドにまつわるいろいろな薀蓄がごまんとある。それらは世界を旅するウィキトラベラーやみなさんによって「発見」されるのを待っているのかもしれない(世界を旅していて、またマクドナルドにまつわる面白い話題を見つけたら、逐次このページにアップしていくので乞うご期待)。

みなさんもこれを読んで世界各地のマクドナルドに興味を持ったら、次に海外旅行へ出かけたとき、街中で見つけたマクドナルドにぜひ繰り出してみよう!


世界のマクドナルド・ミニギャラリー[編集]

記事本編で掲載できなかった、マクドナルドにまつわるいろいろな面白い画像をギャラリーとして取り上げてみた。


マクドナルドのない国[編集]

世界中に展開しているマクドナルドだが、まだまだ世界にはマクドナルドのない国も多く存在する。理由として、以下のようなケースが考えられる。

採算が取れないため出店しない
ある程度客の入りが見込めない地域では採算が取れないので、当然マクドナルドとしても出店は控えることになるだろう。これは、2009年にアイスランドにあったマクドナルドが経済危機から採算が取れなくなり、同国から撤退したという例からも窺えるところである。
もちろん詳細は定かでないが、マクドナルドの経営戦略として、おそらく1人あたりのGDPがいくら以上になったら出店する、というような何がしかの基準があるのではなかろうか。ただし、その国自体が貧しく、国民が購買層となり得なくても、有名な観光地で外国人旅行客が数多く訪れるという地域では出店するケースもあるかもしれない。
政治的な理由から出店しない
マクドナルド発祥の地であるアメリカ合衆国の敵性国家であるなどの政治的な理由で進出を取りやめるケースもあるのではないかと思われる。例えばキューバフロリダ州から目と鼻の先程の距離にも関わらず、マクドナルドが一軒もない(※)。
他にもイエメンイラクイランシリアボリビアミャンマー…、などとマクドナルドが進出していない国を並べてみると、何となくそんな気がしてくる。もちろんこれらの国の中には、政情不安や上に掲げた「経済的な理由」が出店しない理由として当てはまる場合もあろうが、おそらくそれだけではないだろう。「では、これらの国々にハンバーガーショップの類が全くないか」といえば、決してそんなことはないのだから。
※正確に言えば、1店だけ営業している。ただし、店舗があるのは、近年イスラム系テロリストの収容所があることで有名になった、グアンタナモ米海軍基地の中である。全くの閉鎖空間でキューバの主権はおろかアメリカ合衆国の国内法も及ばない(基地内は米軍の軍法のみが適用されるそうだ)治外法権のエリアにある、基地内の米軍関係者とその家族の専用施設で、地元住民が利用できない店舗をもって「その国にマクドナルドがある」、とは普通言わないであろう。

マクドナルドが営業していない国として、以下のような国が挙げられる(全部の国を網羅しているわけではない。また、確認した時点がそれぞれ異なっており、その後出店したケースもあるいはあるかもしれない。なお、各地区内は五十音順である)。

アジア
カンボジア北朝鮮ネパールブータンミャンマーラオス
ヨーロッパ
アイスランド(ヨーロッパ地域の中で唯一マクドナルドがない国。2009年に同国を襲った経済危機により不採算となったため撤退した)
中近東
イエメンイランイラクシリア
アフリカ
アフリカ諸国では、まだマクドナルドがある国の方が少数派である。エジプトモロッコ南アフリカ及びモーリシャス以外のアフリカ地域の国にはマクドナルドがない。
南北アメリカ、カリブ海
キューバジャマイカバミューダバルバドスボリビア
南太平洋
その他の地域

世界のマクドナルド店舗情報[編集]

ウィキトラベルの記事の中で、現地のマクドナルドの情報を載せてあるページを以下に挙げておく。各店舗の情報について、詳細はそれぞれ該当のページを参照されたい(以下、地域別五十音順)。

アジア
彰化市大連デンパサールハノイビガンホーチミン
ヨーロッパ
ヴィリニュスクラクフソフィアタリンブダペストベオグラードミンスクリガロヴァニエミ
中近東
マスカット
アフリカ
カサブランカポートルイス
南北アメリカ、カリブ海
アンティグア
オセアニア、南太平洋
タウポナンディ
その他の地域

外部リンク[編集]

マクドナルドを旅の小道具として楽しんでいる「同好の士」は、案外世の中にたくさんいるようだ。以下は、そんなマクドナルド好きの旅人達が作っているページの一例である。

  • マクドナルド世界一周:ページの管理人であるHS氏による、かつて訪れた国のマクドナルドの紹介。国によって情報量にかなりばらつきがあるが、豊富な画像を基に世界のマクドナルドの様子を楽しめる。マクドナルド世界一周
  • 世界のマクドナルド:個人旅行サイト「らんずえんど通信」(管理人:はみ氏)の一コーナーで、各自が訪れたマクドナルドの情報を投稿できるページ。[5]