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バス旅行のコツ (世界編)
セッテ・リオスバスターミナル(リスボン) バス旅行のコツ (世界編)は、主に海外で長距離バスを使用する際に役立つ、実践的な情報を集めたページ。なお、国内のバス旅行については、「バス旅行のコツ (日本編)」を参照。
目次長距離バスを使って旅をしよう[編集]海外に出ると、地域によっては鉄道以上に長距離バスにお世話になる機会が多い。当初から鉄道が長距離交通インフラの基盤として整備されてきたヨーロッパやかつてその植民地だった国々、また、日本などアジアの一部の地域を除くと、世界の大半は鉄道が敷設されていない地域の方が多く、それらの国々では鉄道に変わる長距離移動の手段として、バス路線が独自の発達を遂げている。また、鉄道が整備されている国でも、鉄道の代替手段、あるいは補完手段としてバス路線が整備されており、移動手段としての利用価値が高い。 一般にバスは鉄道に比べて小回りがきくため、鉄道の通っていないような田舎町にも、大抵の場合近くの大きな街との間でバス路線が整備されているし、また鉄道に比べて料金も安い。加えて、幹線ルートではバス会社数社が競合しており、多くの便数が発着しているため、待ち時間を気にすることなく、自分の旅程にあったバスを比較的容易に利用することができる。 さらに、世界的に見れば日本のような島国よりむしろ地続きの国の方が多く、それらの国々では周辺諸国との国際バスの路線も発達しているし、また島国であっても、フェリー航路と接続することで、大陸諸国との間で国際バスが運行していることもある。 これらのことからもわかるとおり、旅のルートにバス旅行を加えると、当初は考えもつかなかったようなルートで (しかも安く!) 旅を楽しむことができ、旅のバリエーションがぐっと広がる。また、デラックスクラスのバスであれば、日本と同じか、場合によってはそれ以上の乗り心地が楽しめ、とてもリラックスした旅をすることもできる。音楽や食事などのサービスを楽しみつつ、のんびりとバスに揺られながら窓の外に広がる異国の景色を見て過ごすのもとても気持ちのいいものだ。 よほど時間がないのならともかく、旅の目的地を飛行機だけで結ぶ旅だけではなんとも味気ない。旅行にアクセントを付けるためにも、バス旅行はおすすめの小道具といえる。 バスのクラス[編集]一口に「バスのクラス」といっても、国により、あるいは地域により千差万別である。また、同じ路線でも、格安~高級クラスのバスが入り乱れて運行されていることがある。 格安[編集]途上国によく見られるタイプ。 サービスは以下のとおり。
中級[編集]格安とデラックスの中間くらいのタイプのバス。「中級」といっても特に厳密な定義があるわけではなく、バスの仕様やサービス内容などは千差万別である。 サービスの例としては、以下のとおり。
なお、格安との大きな違いとして、テレビやDVDの上映が必ずといっていいくらいあることが挙げられる。 高級[編集]いわゆる「デラックスタイプ」のバス。国によりサービス内容は千差万別であるが、バス路線が鉄道などの代替交通手段として発達しているような国では、鉄道顔負けの「さすが」と思えるサービスを用意している場合が多い。 サービスの例としては、以下のとおり。
「デラックスタイプ」といっても、日本の物価水準に照らせばそう高い料金ではないし、特に治安の悪い国ではバスの車内での盗難や置引きなどが発生することもあるので、そのような国を旅する場合は、贅沢な旅行の演出というより、むしろトラブルに巻き込まれないといった安全面への配慮から、このような高級クラスのバスを利用する価値がある。 バスターミナルの形態[編集]バスターミナルというと、多数のバスが発着する巨大なビルを思い浮かべるが、バスターミナルには以下のように、国や地域によっていくつかの形態がある。
バスターミナルで見られる英単語とその意味[編集]現地語で書かれるのは当たり前だとして、最低でも事実上の共通語である英語の意味だけは理解しておきたい。以下にて述べるので参照されたい。
発券[編集]ターミナルの売り場で目的地までの切符を買い、バスに乗り込むのが通常のパターンだが、緩行バスなどの場合は乗り込んでから車掌から切符を買うこともできる。凝った形態のものとしては、飛行機並みにチケットとボーディング・パスが分かれているものがあり、乗車時に座席指定されたボーディング・パスとチケットを引き換える場合がある。なお、ごくまれに旅行代理店などで購入したバウチャーでバスに乗り込み、途中で車掌がバウチャーと乗車券を交換するような場合もある(なぜそんな煩雑なことをするのかはよくわからないが、ボリビア・ペルー間を走る国際バスがこのようなスタイルを取っていた)。 また、インターネットによる予約が普及することと相まって、最近では、デラックスタイプのバスを中心に、eチケットによる発券を行うケースも出てきた。この場合、インターネット等による予約確認画面を紙に打ち出したものがチケットの代わりとなる。飛行機の場合と異なり、印刷した紙そのものをチケットとして使用する場合もあるので、出発前に予約をした場合はそれを印刷して忘れないように持っていくようにする。なお、チケットとは別に、荷物のクレームタグを兼ねた本人控などが印刷されることもあるので、それぞれの会社の画面の指示に従ってそれらを印刷するように。 荷物を預ける[編集]大きな荷物は出発時にバス中央部の胴体下あたりにある収納庫に預けることになる。国やバス会社などによってやり方はいろいろだが、通常は誰の荷物かわかるように番号の付いた荷札を付け、それと共通の番号が付いた預り証を受け取り、バスの降車時にそれを提示して荷物を受け取るしくみとなっている。 荷物を預け入れる際、あるいはバスが目的地に到着して荷物を降ろす際などには自分が預け入れた荷物がきちんと荷物室に納められたか、また、ピックアップの際他の人が持っていこうとしていないかきちんとチェックするようにする。 荷物の受け渡しは一応車掌がチェックしているが、時にチェックが甘く、荷物の取り違えることもある。また、旅行者があまり降りない停車場での乗り降りなどの際に旅客を装った者による荷物の盗難が発生しやすい。 その他の留意点として、ベトナムなどのように雨の多い国だと、走行中に荷物室に雨水が入り込んで荷物を濡らしてしまうことがある。小さい荷物なら車内に持ち込むようにするとよいし、大きな荷物ならザックカバーなどのような防水用具があると便利である。 乗車[編集]荷物の預け入れが済んだら、いよいよバスに乗車することになる。チケットは乗車時に運転手(あるいは車掌)が回収するケース、あるいは発車後に車掌が回収に来るケースなど様々だが、いずれにしろ早い段階で見せるなり渡すなりする必要が生じるので、すぐ手元に出せるようにしておこう。また、貴重品は必ず預け入れの荷物から出して車内に持ち込み、自分の身の周りにつけておくようにすること(カバンやザックに入れたまま網棚とかに置くと、寝ている間とかに置き引きの被害にあうことがある)。それ以外にも、必要に応じて飲食物や途中の時間つぶし用の本などを持ち込むとよい。 ローカルの緩行バスの場合は自由席の場合が多く、基本的に早い者勝ちとなるので、いい席を取りたければ早めにバスに乗り込む方がよい。また、中級以上のバスの場合は大抵座席指定となっているので、指定された番号の座席に着席するように(ただし座席指定も国や乗るバスのクラスによってはあまり厳密に守られていないこともある。場合によっては自分が座るはずの席に既に誰かが腰かけているようなこともあるが、他の席が確保できるのであれば、その辺りは柔軟に対応したい)。 座席番号は日本同様、座席のすぐ上の網棚の縁とか比較的目につくところに付いている場合が多いが、まれに廊下側座席の肘掛の根元の部分とか、知らないと見落としてしまうような場所についていることもある。また、国のよっては、チケットの座席番号表示が例えばペルシャ語の数字のように現地語でのみ書かれており、判読できない場合もある。このような場合はバスの運転手や車掌、あるいは乗客にチケットを見せて適当に近くの座席を指さすなどのジェスチャーをすれば、大抵の場合自分が座るべき場所を教えてもらえる。 検札[編集]緩行バスの場合、途中バスがいくつもの停留所に停まり、頻繁に乗客の乗り降りがある関係で、長距離を利用する場合には車掌から検札をたびたび受けることになる(車掌も乗客の顔をある程度は覚えているので毎回というわけではないものの、車内が混んで来ると乗降客の全てを把握しきれなくなるのか、検札の頻度が増すようだ)。 また、特に目的地まで直行のバスに多いが、バスによっては発車と同時に車掌がチケットを回収する場合がある。 いずれの場合にせよ、検札のときに切符がないとトラブルになる(持っていることがその場で証明できなければもう一度買わされることもありうる)ので、バスのチケットは最後までなくさないように。 国境越え[編集]地続きの国が多い海外をバスで旅していると、しばしば途中で国境を越える必要が生じてくる。その度ごとに手続きが多少異なっていたりするため戸惑うこともあるが、基本的には車掌の指示に従い、かつ周りの乗客と同じように行動すればよい。考えられるパターンとしては以下のようなものがある。
![]() 国境行きのバス(ニカラグア)
休憩の際の注意[編集]バージで湖を渡るバス(チチカカ湖) 長距離バスの場合、大体2時間から3時間おきに道路沿いのドライブインやサービスエリアなどで食事やトイレなどのための休憩を取る(ただし車内にトイレが付いている一部の夜行バスなどの中には、ほとんどの乗客が寝ているため休憩を取らないものもある)。その際、休憩に入る前に運転手や車掌がその場所で何分の休憩を取るのか伝えるが、ほとんどの場合が現地語のみのアナウンスなので、果たして一体どれくらい休憩をとるのか判然としないことが多い。その際には、乗り遅れなどのトラブルを避けるため、なるべく運転手に現地時刻に合わせたアナログ時計(懐中時計など)を示して、今の時間から十分後くらいを指差しながら、ジェスチャーで休憩時間を確認するようにするとよい。途中ドライブインで食事を取る、バージでバスを渡河させるなど特殊な事情でもない限り、1回の休憩時間は大体10~20分程度である(単にトイレだけの場合はそれよりも短い場合もある)。 その他乗り遅れ対策として以下のような方法がある。
最後の2つを勧める理由は、大きな休憩所だと、同じ会社の違う目的地に行くバスや他社のバスでもデザインの似たものなどが一緒に停車していたりして、自分の乗るバスがどれなのか迷うこともありえるからである。 いずれにせよ、休憩中は一人でバスの停車場所からあまり遠くに離れず、降車時に覚えて置いた乗客の近くにいて彼らの行動を逐一チェックし、それら乗客がバスに帰り始めたら自分もなるべく早いうちにバスに戻るようにするなどの対策をとるとよい。 英語の分かる乗客に尋ねるときの文章は、以下のとおり。 このバスは何時に出発しますか? What time will the bus leave here? 休憩時間は、何時何分までですか? Could you tell me how long the break time is?
車内での飲食[編集]バスによっては半日、あるいは1日以上走り続けるものもあり、そのような場合には車内で飲食の提供がある場合がある。飲食の提供方法としては、あらかじめ料金に食事が含まれていて車内で食事が配られる場合と、車内販売から買う場合のいずれかとなる(それ以外にも、ごく短い停車時間に窓の外に売り子が群がるようなケースをたまに見かけることも)。 飲食自体を禁止するバスはまずないが、自分で考えたようなペースで途中休憩所に立ち寄ってくれるかどうかわからないので、特にトイレが付いていないバスに乗っている場合、トイレが近い人はあまり調子に乗って飲み食いしない方がよい。 逆に、暑い国の乾燥地帯などを走るバスで、エアコンの効きが悪いものに乗る場合などには、長く乗り続けていると脱水状態になることがあるので、水分補給のためにも、ミネラルウォーターなどを車内に持ち込むとよい(結果的に飲むことがなくても、「安心料」としての意味もある。このようなバスは大抵エコノミータイプのバスであり、車内販売などのサービスはないと考えた方がよい)。 乗り換えの際の注意[編集]バスの乗り換えについても、あらかじめ知っていれば現地で慌てずに行動できるような情報がある。 ルート上で乗り換えがある場合[編集]ある目的地まで通しで切符を買っていたとしても、実は途中でバスを乗り換える必要がある場合、また乗客が極端に少ない場合などに、同一会社の同じルートのバスに乗り換えさせられる場合などがある(一例として、ペルーのナスカからリマに行く際に、選択するバス会社によっては途中のイカのターミナルでバスそのものを乗り換える必要が生じる(余談だが、そのようなケースの場合、あらかじめそのような状況を把握できていなくても、他の乗客の動きでそれとわかる))。その際、あらかじめ座席指定をしている場合などは、乗り換えた先のバス、あるいは乗り換え地点のターミナルなどでチケットの座席番号を新たなものに書き替えてもらう必要がある。なお、途中バスが遅れたりして、乗り換え時間がほとんどなくなることもあり、その際にはかなりあたふたするので、座席や荷物室に忘れ物をしないように注意。 事故の際の代替車への乗り換え[編集]やや特殊な事例と言えるが、バスが何もない原野の途中でパンクしたような場合で、後から来た同一会社の同じ目的地のバスに座席の空があれば、そちらに乗り換えさせられるといったようなケースもある(長距離を走行するバス旅行の場合、たまにこのようなことがある)。このような場合であっても、バスの運転手や車掌が代替交通手段への振り替えを処理してくれる(あるいは結構な確率で生じるのか、手際がよい)ので、基本的に彼らの指示に従えばよい。 荷物の盗難に注意[編集]荷物室への預け入れの場合の注意点[編集]バスの荷物室は大きな荷物も運べて便利だが、自分がバスの席にいる間はなかなか目が届かないので少々厄介だ。乗車前に荷物室に荷物を預ける荷物室に預けた荷物の管理が問題となる。想定される盗難のケースとしては、預けてバスに乗り込んだ後で盗まれるケース、途中停車したターミナルで盗まれるケース、バスが最終目的地に着き、バスから降りて荷物をピックアップするまでに盗まれるケースなどが考えられる。 荷物の管理がしっかりしているバスで、車掌が荷物に番号札を付け、ピックアップの際に提示する半券を渡してくれるような場合であればあまり心配する必要はないが、そうでない場合には、荷物の管理に注意を向ける必要がある。とはいっても、一旦バスに乗り込んでしまえば、せいぜい窓から状況を確認するくらいしかできないのも事実ではある。そのような中で、(有効とまでは言えないものも含め)とりあえず取れそうな、盗難に対する自衛策を挙げると以下のとおりである。
なお、悪意の盗難ばかりでなく、取り違えのような事故も生じうるので、その意味でも目的地についたらさっさとバスを降り、なるべく早めに自分の荷物をピックアップするようにしたい。 車内での荷物の管理[編集]これまで荷物室への荷物の預け入れについて記述してきたが、車内でも置引き等のトラブルは発生しうる。例えば時差ボケが原因で座席で眠り込んでしまっている間に、他の乗客が上の網棚の荷物を置引きして、途中の停車場で降りてしまうようなケースがある。 一番安全なのは自分のひざの上に抱えるようにして持っているか、横において肘かけがわりに使う方法である。ただ、車内が混んでいる場合は荷物で座席を占領することもできないし、ひざの上に置く方法も、長時間だと疲れる。加えて、そもそも大きすぎる荷物はこのような方法に頼るわけにもいかない。 |
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