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しまなみ海道サイクリング
しまなみ海道サイクリングは、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約80kmのしまなみ海道を自転車で走る旅行プランである。
目次分かるしまなみ海道は、瀬戸内海の向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島を結ぶ、新尾道大橋、因島大橋、生口橋、多々羅大橋、大三島橋、伯方橋、大島大橋、来島海峡大橋の総称で、全長約80km。このうち尾道から生口島までが広島県、大三島から今治までが愛媛県に属する。 1999年に全通し、今日では島々の重要な交通路となっている。本州と四国を結ぶ架橋は他に瀬戸大橋、明石大橋・大鳴戸橋があるが、これらと異なる特徴として、しまなみ海道のそれぞれの橋には歩行者・自転車道が設けられていることである。 また、尾道から今治までの間、自転車専用県道として広島県道466号線、愛媛県道325号線が整備されており、風光明媚な自転車道で快適なツーリングを楽しむことが出来る。 熟練したサイクリストなら一日で往復することは十分に可能である。しかしこんなに気持ちの良いサイクリングロード、ただ走るだけでは勿体ない。途中で一泊してゆっくりと楽しみたいものだ。道中はキャンプ場も多く、ツーリングテントで一泊というのもよいだろう。 そこまで走り込まなくても・・・と遠慮するのであれば、レンタサイクルで気ままに走るのもよいだろう。各所にサイクリングターミナルがあるので、貸し自転車を借り、十分に堪能したらその地のサイクリングターミナルで乗り捨ててもよい。 ママチャリの初心者から熟練のサイクリスト、気ままなチャリダーまで、思いのまま楽しめるサイクリングロードである。 観光案内所SHIMAP しまなみ海道観光マップ (瀬戸内しまなみ海道振興協議会) — WEB [1] 準備軽車両通行料金回数券自転車・原付等の軽車両が各架橋を通行する際には、それぞれ通行料が必要である。通行料は¥50~¥200で橋により異なる。無人の料金所の料金箱に通行料を投入することになるので、(回数券を利用する場合を除いて) あらかじめ小銭を用意しておく必要がある。 しまなみ海道では、次の回数券が用意されている。
レンタサイクル道中各地にサイクリングターミナルがあり、レンタサイクルを借りることが出来る。大人1日¥500、小人1日¥300。保証金は¥1,000。最初に借りたサイクリングターミナルに返せば保証金は戻ってくるが、保証金が返って来ない代わりに、他のサイクリングターミナルに乗り捨てすることも出来る。電動アシスト自転車は4時間¥800、乗り捨て不可。 しまなみレンタサイクル — レンタサイクル店。 WEB [2] 出発する尾道からJR尾道駅下車すぐ海沿いに、向島へ向かう渡船がいくつかある。新尾道大橋は自動車専用橋で、尾道大橋は遠まわりで歩道が狭い。始めくらいは船の世話になろう。運賃は航路によって異なり、¥70~¥110。 今治からJR今治駅から市街を抜けて起点となるサイクリングターミナル「サンライズ糸山」へ。今治へは大分市・神戸市からダイヤモンドフェリーの航路もある。 (注)2009年6月1日以降、ダイヤモンドフェリーの今治への寄港は中止されている。
走るここでは、尾道を起点としたルートとして解説する。今治を起点とする場合も、そのまま逆に読んで頂ければ良い。 向島島内の詳細は向島 (広島県)を参照。 因島大橋軽車両通行料:¥50。 車道と並行して走行可能な一連の橋の中で唯一、車道の下を走る。景色が妨げられるのは残念。 因島大橋から因島への坂道を下りきったところは2003年の「ツールドしまなみ」で自転車が歩行者を死亡させた事故現場。 スピードの出し過ぎに注意。 因島島内の詳細は因島を参照。 島の北部にある白滝山からの眺望は素晴らしい。だが、自転車を降りて山道を登るので疲労した体にはちょっときついかもしれない。 島の中部には因島水軍城や金蓮寺などがあり寄ってみたいが、ルート設定に注意。水軍城と生口島の間は317号線が近道ではあるが、途中のトンネルの道幅が狭く暗いので自動車との接触事故の危険が高い。面倒でも北の重井方面を回ったほうが無難。 しまなみ海道サイクリングルートから外れるし、サイクリングロードも整備されてないが、島の南端に位置する因島公園からの眺望も一見の価値有り。 生口橋軽車両通行料:¥50。 なお上の写真「生口橋から生口島を望む」は「生口橋から因島を望む」が正しい。 因島側に飲用可の水道があるので休憩、水分補給ポイントとして覚えておきたい。 生口島島内の詳細は生口島を参照。 サイクリングロード沿いの瀬戸田港周辺には平山郁夫美術館、耕三寺博物館などがあり観光客で賑わう。観光客向け飲食店も多く、食事・休憩にはちょうどいい。 多々羅大橋軽車両通行料:¥100。 橋のケーブルを支える塔の下で手を叩くと音の反響で鳴き龍現象が起きる。気軽に止まれる自転車の特権のようなものなので試してみてはどうだろう。案内板があり拍子木も備え付けてある。 大三島島内の詳細は今治市/大三島を参照。 ちょうど、しまなみ海道の中間地点。そろそろ汗が気になる頃合い。多々羅大橋入り口の近くに入浴施設の多々羅温泉(火曜休業)と三島の湯(さんとうのゆ¥500、水曜休業)があるので、一風呂いかがだろうか。ただし、どちらの湯もタオルや石鹸などは持参すること。 また、ルートからは外れるが島の西側の宮浦地区には伊予国一の宮・大山祇神社もある。神社近くの道の駅御島にはレンタサイクルに伴いシャワー設備有り。宮浦地区までの間は大島と同レベルの峠越えになるがサイクリングロードは整備されていて走りやすい。宮浦地区まで行ったら海水風呂で有名な入浴施設「マーレ・グラッシア大三島」に立ち寄るのもいい。 大三島橋軽車両通行料:¥50。 伯方島島内の詳細は今治市/伯方島を参照。 伯方の塩で有名。ご当地ラーメン「伯方の塩ラーメン」が名物。 自転車乗りに必要な炭水化物とミネラルが豊富で一気に補給できる嬉しいラーメンだが、伯方島の自転車道は短い上、「伯方の塩ラーメン」を提供している「さんわ」のある中心街から離れている。ラーメン店へ行く途中には、「鶏小島」や「船折瀬戸」などの景勝が存在する。 伯方橋軽車両通行料の設定無し。大島大橋も渡りきる場合は¥50。 見近島伯方・大島大橋の橋脚の置かれている無人島だが、かつては村上水軍の陣地も置かれた島である。この島には無料のキャンプ場が整備されており、徒歩・自転車・原付に限り島に降りることが出来る(自動車・中型以上のバイク不可)。ちょっとしたビーチもあり、水道(飲用可)・トイレも完備。隠れた名所である。なお、伯方・大島大橋の両端付近に店舗は少なく、食糧の調達には注意が必要。 大島大橋軽車両通行料:¥50。 大島島内の詳細は今治市/大島を参照。 島内で100m級のヒルクライムが2ヶ所。橋梁区間を除き、しまなみ海道の目立った難所が続く。 大島大橋入り口から東に行くと、村上水軍博物館がある。在りし日の海の男達を偲ぶためにも、是非立ち寄りたい。 来島海峡大橋軽車両通行料:大島~馬島、馬島~今治間各¥100、大島~今治間¥200。 道中最長の架橋。橋下の来島海峡は海上交通の要衝で、大型船舶が絶え間なく航行している。急な潮流で有名で、橋の東側の下田水港からは潮流体験の船が出ている(乗船希望の場合は道の駅「よしうみいきいき館」へ)。 馬島来島第二・第三大橋の橋脚が置かれた島で、小さな集落があり自動車のICもあるが、島の住民以外は利用できない。徒歩・軽車両はエレベーターで島に降りることが出来る。エレベーターを降りるとすぐ、来島大橋架橋工事の事故で亡くなった作業員の慰霊碑がある。馬島に降りることがあれば、まず立ち寄り冥福を祈りたい。 気をつける橋の出入り口架橋の出入り口には、自転車・原付それぞれの専用道が設けられている。自転車道は遠まわりだが勾配は緩く、原付道は距離は短いがやや急勾配だ。特に自転車の場合、50mほどの高さの橋を橋ごとに上り下りしなくてはならない(橋以外の場所では自動車と並行して自転車が通行することはできない)ので、かなり体力を消耗する。 自転車・原付の専用道では対向車線は分離されていないので、カーブミラーに注意を払い、対向車と接触しないよう気をつけたい。下るときには何もしなくてもかなりのスピードが出てしまうので要注意。また、一般道への出口でもスピードを出したまま飛び出すと自動車などとの衝突の危険があるので必ず一時停止を心がけよう。 パンクへの対応特に島嶼部で自転車専門店は本土に比べて少ない。ホームセンターはいくつかあるが、自前の自転車で走行する場合は特に、パンク修理の技能くらいは身につけておいた方がよい。なお、レンタサイクルの場合は最寄りのレンタサイクル貸出ターミナルまで持って行けば対応してくれるが、故障場所からターミナルまでの距離がある場合や、ターミナルの営業時間外の場合もあるので、余裕を持ってスケジュールを組もう。 お土産サイクリング中は荷物を減らすために道の駅などでの買い物を避けるものであるが、みかんジュースやポン酢などそれぞれの島でしか買えないものが多くある。お土産は最後にまとめて買えるとは限らないので、本当に欲しいものだけはその場で買うべき。ある程度の量がまとまった時に宅配便で自宅に送ってしまうという手もある。 観光名所時間に限りがあってひたすら先を急ぐ場合、サイクリングロードになっている道の周りには立ち寄って観る所が意外と少ない(メインのサイクリングロードを外れた場所に観光名所が多くある)。しかし、景色を見ているだけでも十分楽しめる。
マナーを守る自転車に対する地元の拒否反応サイクリストの中にはマナーを守らない者もおり、自転車道で併走する、原付・自転車道で後続から来た原付に道を譲らない、減速せずに突っ込んでくる、歩行者を蹴散らす、一般道で道幅いっぱいに併走して迷惑行為をする、全般的に交通ルールを無視している等の批判も地元の住民から寄せられている。また、自転車との事故やトラブルも多発しているとのこと。地元の人の中には、このようにサイクリストに対しネガティブな感情を持つ人もいることも十分踏まえた上、マナーを守ってサイクリングを楽しみたい。
帰る途中で貸し自転車を乗り捨てるなど、途中でサイクリングを止めて帰途に就く場合、しまなみ海道を通して運行する高速バスで、尾道または今治へ至り帰途に就くことになる。ダイヤ等は当該リンクを参照されたい。 |
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