世界のテレビ方式とリージョンコード
出典: Wikitravel
これは「お役立ち情報」の記事です。
ここでは、主に日本人旅行者が外国でDVDやゲームソフトを買って帰ったり、日本から持参したものを現地で再生したりすることを想定して、注意点や対策について述べる。
[編集] 世界のテレビ方式
アナログカラーテレビの映像信号には大別して以下のような方式がある。
| 名称 | 水平走査線数 | 垂直走査周波数 | 主な採用地域 |
|---|---|---|---|
| NTSC | 525本 | 約60Hz | 日本、韓国、台湾、北米、中米、南米 |
| PAL (パル) | 625本 | 50Hz | ヨーロッパ、中近東、アフリカ、アルゼンチン、インド、東南アジア、中国 |
| SECAM (セカム) | 625本 | 50Hz | フランス、旧フランス植民地諸国、旧ソ連邦諸国、モンゴル |
| PAL-M | 525本 | 約60Hz | ブラジル |
水平走査線数とは、画面を構成する水平方向の線の数で、多いほど緻密な画像になる (ちなみに日本のハイビジョンは1125本である)。 垂直走査周波数 (リフレッシュレート) とは、1秒間のコマ数 (実際にはこの半分) で、多いほどちらつきが少なく、動きがなめらかになる。
PALとSECAMは方式が似ているため、今日ではPAL/SECAM地域のテレビはPAL/SECAM両対応になっており、またDVDやゲームソフトはSECAMのものはなくPALを使用する。
PAL-MはPALの変種であるが、実際には上記の通りNTSCに近い。DVDやゲームソフトはNTSCを使用する。
[編集] VHSビデオ
VHSビデオ (テープ、デッキ) にはNTSC, PAL, SECAMのものがある。 日本の一般的なVHSデッキはNTSC専用のため、PALやSECAMのテープを再生するには、対応したデッキとテレビが必要 (NTSCのテレビに映せるデッキもある)。 ビデオ機器専門店でNTSCにダビングしてもらうこともできるが、料金はかなり高い。
なお余談ながら、NTSCのVHSには3倍モード (EP) があるが、PALのVHSには代わりに2倍モード (LP) がある。これは、PALの周波数 (50Hz) が3で割り切れないためである。
[編集] ビデオCD
ビデオCD (VCD) とは、CD-ROMに映像と音声をデジタル記録したもので、東南アジアや中国で広く普及している (最近はDVDも普及してきている)。 日本ではほとんど普及しておらずプレイヤーも見かけないが、DVDプレイヤーやパソコンで再生可能。
ビデオCDにはNTSCとPALのものがある。日本でPALのビデオCDを再生するには、パソコンで再生するのがてっとり早い。
[編集] DVDビデオ
DVDビデオには、NTSCとPALの区別のほかに、DVD特有のリージョンコードというシステムがある。 市販されているDVDプレイヤー (パソコンのDVDドライブも含む) とDVDソフトには、販売地域によって決められたコードがついており、プレイヤーとディスクのコードが一致しないと再生できない。 つまり、コードが異なる地域のDVDを輸入しても再生できない。 これは、DVD販売業者が販売地域や時期を調整できるようにするための仕組みである。 リージョンコードはプレイヤーやDVDのパッケージ表面、またDVDそのものの表面に示されている。
| コード | 地域 |
|---|---|
| 0 (ALL) | 無制限 |
| 1 | 北米 |
| 2 | 日本、ヨーロッパ、中近東、南アフリカ |
| 3 | 韓国、台湾、香港・マカオ、東南アジア |
| 4 | オセアニア、中南米 |
| 5 | 旧ソ連邦諸国、南アジア、アフリカ |
| 6 | 中国 |
| 7 | 未使用 |
| 8 | 航空機、客船など |
リージョン0というのは、DVDソフト側につけられるもので、通常"ALL"と表記され、プレイヤーのリージョンに無関係に再生可能であることを意味する。正規のDVDではあまり見かけないが、海賊版DVDはリージョン0であることが多い (そのため、同じ内容の正規版と海賊版がある場合、値段の高い正規版のほうが再生に制約があるという皮肉な事態となる)。
また、リージョンコードの問題以外にも、NTSCとPALの違いもある。 たとえば日本とヨーロッパはともにリージョン2であるが、ヨーロッパで売られているDVDはPALなので、NTSCにしか対応していない日本のプレイヤーでは再生できない。ただし、日本版のXbox/Xbox360では再生が可能である (NTSCで出力される)。
リージョンの異なるDVDを再生する方法としては、いわゆるリージョンフリーのプレイヤーを使う方法と、パソコンで再生する方法がある。
最近は日本でもリージョンフリーのDVDプレイヤーを数千円程度から入手できる。ただし、リージョンフリーであっても、NTSC専用のプレイヤーでPALのDVDを再生することはできない。
パソコンの場合は、DVD再生ソフトを通してDVDドライブのリージョンを変更する。変更は一般に5回まで可能で、それ以降は変更できなくなる。また、パソコンでは、NTSC/PALどちらのDVDでも再生できるというメリットもある。
なお、現在日本ではコピーガードを意図的に外す (回避する) ことは違法とされているが、リージョンコードはコピーガードではないので回避しても問題ない。
DVD-ROMなど、DVDビデオ以外のDVD媒体にはリージョンコードはない。
[編集] ブルーレイ・HD DVD
ブルーレイディスクの映像ソフトには、3つのリージョンコードがある。
| コード | 地域 |
|---|---|
| A | 北米、中南米、東アジア (中国を除く)、東南アジア |
| B | ヨーロッパ、中近東、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド |
| C | ロシア、中国、南アジア、中央アジア、その他 |
日本とアメリカは同じリージョンAなので、日米間でソフトを融通することが可能である。
HD DVDビデオにはリージョンコードはない。
[編集] ゲームソフト
据え置き型のいわゆるテレビゲーム機 (プレイステーション2など) にもリージョンコードと類似の仕組みが存在し、一般に以下の3つの区分が設定されている。
ゲーム機本体とソフトのリージョンが一致していなければプレイできない。ただし、プレイステーション3ソフトにはリージョンコードがない(が、プレイステーション2ソフトのリージョンはプレイステーション3でも有効であることに注意)。また、北米版Xbox/Xbox360ソフトの一部には日本の本体でも動作するものがある。なお、PALのソフトではPALに対応したテレビモニタが必要となる。
一方、携帯型ゲーム機 (ニンテンドーDS、PSPなど) には基本的にリージョンコードはない。また、テレビを使わないためNTSC/PALの問題もないので、本体もソフトも全世界共通で使える (電源アダプタのみ異なる)。ただし、PSPのUMDビデオについては、DVDビデオと同様のリージョンコードがある。また、中国向けのニンテンドーDSソフトは、中国向けの本体でのみ動作する。
[編集] パソコンソフト
パソコンのソフトでは、リージョンコードのように地域によって動作を制限する仕組みはないが、英語版のソフトを日本語のOSで動かすなど、想定されていない動作環境で動かした場合は不具合が出ることがある。
[編集] ワンセグ
ワンセグは海外では視聴できない。
[編集] ラジオ
AM放送の周波数は、南北アメリカでは10kHz刻み、その他の地域では9kHz刻みとなっている。ダイヤルを回して選局するラジオでは問題ないが、電子的に9kHz/10kHz刻みで選局するものでは刻みが合わないと受信できない。
FM放送の周波数は、日本では76~90MHz、諸外国では87.5~108MHzとなっている。そのため日本のFMラジオでは海外の90MHz以上の局は受信できない。ただし、アナログTVの1~3チャンネル (90~108MHz) の音声を受信できるラジオでは問題ない。

